研究課題/領域番号 |
21H02730
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
三室 仁美 大分大学, グローカル感染症研究センター, 教授 (80396887)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 持続感染 / ピロリ菌 / 感染 |
研究開始時の研究の概要 |
ピロリ菌の病原因子群の発現抑制性 small RNA (sRNA) HPnnc4160は、相変異により発現が周期的に変動する。感染宿主生体内のピロリ菌は当該sRNA発現が低下することで宿主に適応する。本研究では、ピロリ菌持続感染におけるHPnc4160のオシレーション発現の意義、HPnc4160により発現が制御される新規病原因子群の、持続感染における作用機序、HPnc4160の生体内オシレーション発現制御機構、の三点を明らかにする。これにより、ピロリ菌の新規病原性制御 sRNA のオシレーション発現による持続感染機構の一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ピロリ菌病原因子群の発現抑制性 small RNA HPnc4160 は、相変異により発現が周期的に変動し、標的病原因子群の発現を調節して、ピロリ菌の宿主適応を可能にする。本研究では、ピロリ菌持続感染における当該sRNAの周期的発現変動の意義と、sRNAが発現制御する新規病原因子群の病原性を明らかにすることを目的とした。sRNA上流の繰り返し配列変異株を用いた検討から、相変異が持続感染成立に重要であることを見出した。また、sRNAが発現制御する新規病原因子が、ピロリ菌の胃内上皮付着と食細胞による貪食に重要であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、発癌タンパク質CagAのみならず、複数の病原因子の発現を同時に制御するsRNAの発現レベルは、常に変動し続けることがピロリ菌の持続感染に必須であることを明らかにした。これまでの臨床分離株病原性判別では、病原因子が発現しているかどうかにのみ着目していた。本研究成果は、病原性判別法の概念を覆す学術的かつ感染症疫学に大きな影響を与えるものである。また、sRNAが制御する新規病原因子について、胃上皮細胞と食細胞を標的として作動することを明らかにしたことから、宿主との相互作用を標的とした新たな治療薬への展開が期待できる。
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