研究課題/領域番号 |
21H02734
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高田 礼人 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (10292062)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | マールブルグウイルス / 細胞侵入 / 抗体 / エピトープ / 治療薬 / 抗体医薬 / ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
エボラ出血熱に対する治療薬として抗体医薬が承認されている。しかし、これまでに作製された治療用抗体はエボラウイルス1種のみに特異的であり、マールブルグウイルスには全く効果が無い。マールブルグウイルスはエボラウイルスと共にフィロウイルス科に属し、ヒトやサルに急性で致死率の高い感染症をひき起こす病原体であるにも関わらず、治療法開発は遅れている。そこで本研究では、これまでエボラウイルスに対する抗体医薬開発過程で得られた知見を基にして、マールブルグウイルスの感染性を効率よく中和する抗体を作出し、マールブルグ出血熱に対して有効な抗体医薬の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
複数のオルソマールブルグウイルス(マールブルグウイルスおよびラヴンウイルス)に対する交差中和活性をもつマウスモノクローナル抗体を複数作出した。それぞれの抗体に対するエスケープミュータントのアミノ酸置換を特定し、ウイルス表面糖蛋白質(GP)分子上のエピトープを詳細に解析した結果、それらの抗体は細胞膜とウイルスエンベロープとの膜融合あるいはGPと宿主細胞受容体との結合を阻害すると推測された。また、それらの中和抗体の可変領域のアミノ酸配列を決定し、ヒト―マウスキメラ抗体の作出に成功した。さらに、マールブルグウイルス感染マウスモデルを用いて、作出した抗体の投与による治療効果を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オルソマールブルグウイルスは、ヒトに致死率の高いマールブルグ熱をひき起こす。近年のアフリカの流行国の拡大によって、予防・治療法開発が急務となった。同じウイルス科に属し同様の出血熱を引き起こすエボラウイルスに対しては2種類の抗体医薬がFDAに承認されているが、これらはマールブルグ熱には効果が無い。治療薬候補となっている幾つかの化合物に関してはヒトでの有効性が確認されておらず、さらに副作用が大きい。本研究では複数のオルソマールブルグウイルスを中和するモノクローナル抗体を作出するとともに、ヒト―マウスキメラ抗体の作出に成功した。これらの成果によって、マールブルグ熱治療薬の開発に資すると思われる。
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