研究課題/領域番号 |
21H02748
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
市山 健司 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (60777960)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | Ikzf1 / Foxp3 / 制御性T細胞 / 転写因子複合体 / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
制御性T細胞 (Treg) は免疫自己寛容において中心的な役割を担う重要な細胞であり、Tregの免疫抑制機構の解明が現代免疫学の重要課題の一つとされている。これまで申請者はTregの免疫抑制機能に必須の転写因子であるFoxp3の新たな結合因子として転写因子Ikzf1を同定した。しかしながら、TregにおけるIkzf1の生理的意義は今のところ全く不明である。そこで本研究では、Treg特異的にIkzf1の機能不全変異体が発現する遺伝子改変マウスを用いて、Tregの免疫抑制機能におけるIkzf1の生理的役割を分子レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
制御性T細胞(Treg)を標的とした新たな免疫疾患治療法の開発に向けて、Treg機能における転写因子Foxp3とIkzf1の相互作用の役割を中心に解析を進めた。その結果、TregにおいてFoxp3とIkzf1の相互作用が阻害されると、Treg関連遺伝子周辺のエピゲノムが変化し、それに伴ってTreg特異的な遺伝子発現パターンおよびTregの機能安定性が破綻することで過剰な免疫応答が誘導され、最終的に自己免疫疾患様の致死的な炎症が発症することが明らかとなった。さらに、Ikzf1はヒトTregにおいてもその機能安定性維持に重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常個体中に存在する制御性T細胞(Treg)は、異常・過剰な免疫反応の抑制に特化したT細胞群であり、免疫自己寛容、免疫恒常性の維持に中心的な役割を果たしている。そしてその異常は、自己免疫病、アレルギー疾患、炎症性腸炎などの直接的原因となることが知られている。本研究成果は、Tregの機能安定性機構の基礎的理解を発展させた。今後、これら知見を基にヒトTregを標的とし、その量的・機能的増減による、がんや自己免疫疾患、移植臓器拒絶反応に対する新しい免疫応答制御法の開発、医療応用に繋がることが期待できる。
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