研究課題/領域番号 |
21H02753
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 義裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20415269)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | B細胞 / 自己免疫疾患 / 老化 / 加齢 / 免疫寛容 |
研究開始時の研究の概要 |
年齢を重ねるごとに免疫機能が低下していく免疫老化は、感染症の重症化や免疫寛容維持機構の破綻による自己免疫疾患発症に密接に関係します。しかし、それら現象を支えるメカニズムは未だ解明されていません。特に、液性免疫の要となるB細胞に関する知見は非常に乏しいのが現状です。そこで本研究では、トランスクリプトーム解析と分子・細胞・個体レベルの機能解析により、B細胞の加齢に伴う多様性の変化と免疫老化誘導の鍵となるB細胞サブタイプの同定を試みます。そして、同定したB細胞サブタイプの機能と分化・活性化機序を解明し、免疫機能低下と自己免疫疾発症機構を理解することを到達目標とします。
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研究実績の概要 |
年齢を重ねるごとに免疫機能が低下していく免疫老化は、感染症の重症化や免疫寛容維持機構の破綻による自己免疫疾患発症に密接に関係するが、それら現象を 支えるメカニズムは未解明である。特に、液性免疫の要となるB細胞に関する知見は非常に乏しい。そこで本研究では、トランスクリプトーム解析と分子・細胞・ 個体レベルの機能解析により、B細胞の加齢に伴う多様性変化と免疫老化誘導の鍵となるB細胞サブタイプの同定を試みる。さらに、同定したB細胞サブタイプの機 能と活性化機序を解明し、液性免疫機能低下と自己免疫疾患病態への関与を明らかにすることを試みる。本研究では、網羅的トランスクリプトーム解析により、 加齢依存的に変化するB細胞サブタイプの同定と機能解析を行い、免疫老化に関わるB細胞サブタイプ変動の意義を明らかにする。 今年度は、昨年度に同定した老化長期生存B細胞に発現する遺伝子Xの性状、機能解析を行った。遺伝子Xは老化で初めてB細胞に発現すること、ならびに加齢性B細胞に強く発現することがわかった。また、in vitroの誘導系においてTLRやサイトカインの刺激で発現が増強した。生体内での役割を解析するために、B細胞特異的ノック合うマウスを作出した。また、CD11+加齢性B細胞が特徴的な状態をしめすことがわかり、特定の細胞内シグナル分子が活性化していることを見出した。さらに、CD11+加齢性B細胞で発現が高い遺伝子のB細胞特異的トランスジェニックマウスが自己免疫疾患を自然発症させることも観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通りに研究遂行し、期待した結果と予想外の知見も得られている。遺伝子改変マウスの準備も滞りなく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
加齢性B細胞の状態変化の知見を基盤に、分化誘導機序の解明を行う。特定の分子に対する阻害剤やノックアウトマウスにより、分化に必須の因子を同定する予定である。昨年度に樹立したB細胞特異的分子Xノックアウトマウスを使って、老化による免疫低下や自己免疫疾患への関与を明らかにする。病態変化が認められれば、その分子メカニズムを明らかにする。上記のトランスジェニックマウスがなぜ自己免疫疾患を発症するのかの分子機序の解明を行う。特に、自己免疫寛容との関係に注目して研究を進める。
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