研究課題/領域番号 |
21H02765
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70365261)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 肺癌 / シグナル経路異常 / オルガノイド / シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞のゲノム・エピゲノム異常は、癌細胞におけるシグナル経路異常をもたらし癌としての表現型を構築する。申請者らは世界最大規模の患者由来肺癌オルガノイドライブラリーを構築するとともに、肺癌の分子異常の多様性を明らかにした。本研究の目的は、この独自の研究基盤を最大限活用し、分子異常が肺癌細胞のシグナル経路異常・依存性を規定するメカニズムを解明するとともに、肺癌細胞特異的に依存するシグナル経路を同定することである。本研究が進むことで、肺癌生物学理解を深化させるとともに治療法開発に直結する知見を取得することが可能になる。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、肺癌細胞における癌細胞特異的なシグナル依存性を明らかにするとともに、その分子メカニズムを明らかにすることである。 そのために我々は肺癌患者由来のオルガノイドを用いた実験系の確立を行った。具体的には、患者由来肺癌オルガノイドの効率的培養条件の検討を行った。また、肺癌細胞の特徴を知る上で非癌肺細胞のコントロールが必要であると考え、患者由来の肺胞細胞あるいは気道上皮細胞からのオルガノイド樹立も行った。ここでも培養条件の検討を繰り返し行った。その結果、非癌肺細胞および肺癌細胞由来のオルガノイドの培養条件の効率化をすすめることができた。これら改善した培養条件により、様々な特徴をもつ肺癌オルガノイド樹立に成功した。 樹立した肺癌オルガノイドに対しては、それぞれのオルガノイドが有する分子異常(遺伝子変異、遺伝子発現異常)を明らかにするため各種網羅的分子プロファイリングを行った。具体的には、全エクソーム解析やRNAシークエンスなどを行った。 さらに、肺癌細胞の分子異常とシグナル依存性の関係を明らかにするため、ニッチ依存性解析(オルガノイド培養のなかでの増殖因子(ニッチ因子)を添加あるいは除去したうえでオルガノイドの増殖能を評価する実験系)やCRISPR/Cas9ノックアウトライブラリーを用いた研究を進めている。その中で、ある分子異常を有する特定のサブグループのラインで、肺癌細胞特異的なシグナル依存性を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺癌オルガノイド樹立も順調に進んでおり、培養条件も改善されてきている。肺癌細胞特異的に依存するシグナルも部分的に同定されてきており、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度までに確立した研究基盤をもちいて、さらに肺癌の分子異常とシグナル依存性の関係を明らかにしていく。また、肺癌におけるさらに詳細なサブグループに関する研究も進めるため、継続してオルガノイド樹立、網羅的分子異常把握も進めていく。
|