研究課題/領域番号 |
21H02770
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
八尾 良司 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 部長 (80291095)
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研究分担者 |
新井田 厚司 東京大学, 医科学研究所, 講師 (00772493)
丸山 玲緒 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がんエピゲノムプロジェクト, プロジェクトリーダー (60607985)
長山 聡 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70362499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 患者由来オルガノイド / 転移・再発 / 大腸がん |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がんは、部位別がん死亡率が2位であり、年間5万2千人の患者が亡くなっているが、その治療を困難にする要因に、転移と再発が挙げられる。本研究課題では、患者由来オルガノイド(patient derived organoids, PDOs)を用いて、がん組織を構成する細胞多様性を明らかにする。 21名のIV期大腸がん患者の原発巣、転移巣、再発巣から樹立されたPDOsを比較検討することにより、ヒト生体組織での変化を解析するとともに、in vitroの再構成系およびマウス転移モデルを用いた実証と、ヒト生体組織では解析が困難な転移・再発過程の解明を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、同一患者の原発巣と転移・再発巣からpatient derived organoids(PDOs)を樹立し、がん組織を構成する細胞の不均一性を解明する。具体的には、in vitro再構成系によるがん組織の発生機構と恒常性維持機構の解析とin vivoイメージングによる生体組織レベルでの解析を行った。 進行大腸がん由来オルガノイドの幹細胞マーカーであるOLFM4遺伝子座に、IRES-EGFP-P2A-inducible Caspase9カセットをノックインしたPDOsを作成した。本年度は、FACSによりOLFM4陽性細胞を単離することにより、オルガノイドの再構成実験を行った。経時的に回収したオルガノイドをFACSで再解析し、さらにシングルセル遺伝子発現解析(scRNA-seq)を行った。その結果、再構成過程の初期にEGFP陰性細胞が生じ、その中には分泌系細胞が多く含まれることが明らかになった。興味深いことに、正常消化管では、小腸にのみ存在するPaneth様の細胞が生じていた。これらの結果から、転移過程における遠隔組織での再増殖や化学療法後の再発過程など、シングルセルからがん組織が再構築される際には、小腸型の細胞運命決定プログラムが作動し、Paneth細胞の形質をもつ細胞集団が生じることが示唆された。このような過程を個体レベルで解析するために、EGFP-luciferase融合遺伝子を発現するPDOsを作成し、内視鏡を用いて同所移植を行う実験系を立ち上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに作成されたゲノム編集PDOsを使って、OLFM4陽性細胞が自己複製能と多分化能を有することを示すとともに、scRNA-seqでは、小腸型分泌細胞であるPaneth様細胞が出現するという現象を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
scRNA-seqで見出されたPaneth様細胞の可視化と選択的なablationを可能にするゲノム編集を行うために、マーカー遺伝子座にEGFP-P2A-inducible Caspase9カセットを導入する。作成されたPDOsをもちいて、Paneth様細胞のOLFM4陽性幹細胞からオルガノイドが再構築される過程を解析し、機能的な役割を明らかにする。
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