研究課題/領域番号 |
21H02774
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター) |
研究代表者 |
喜納 宏昭 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主幹研究員 (70283067)
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研究分担者 |
Cabral Horacio 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10533911)
劉 学瑩 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主任研究員 (30777470)
Quader Sabina 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 副主幹研究員 (90749699)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | エピルビシンミセル / 免疫チェックポイント阻害剤 / ゲムシタビン / 膵臓がん / がん間質再構築 / ECM分解 / 腫瘍間質 / 膵臓癌 / リモデリング / ナノ治療薬 / がん間質 / 耐性克服 / MMP / HYAL / 併用 / 抗PD-1抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を用いたがん免疫療法は、膵臓癌で形成される間質を抗体医薬や細胞傷害性T細胞(CTL)が透過できないことや間質が誘導する免疫抑制細胞(MDSC), 制御性T細胞(T-reg)が集積しているため効果がない。本研究では、全身投与で膵臓癌に対して抗体医薬を効率的に送達できるように間質の細胞を殺傷するもしくは形質転換する高分子ミセル型ナノ治療薬を開発することで、膵臓癌、乳癌など間質の豊富な難治癌に対して免疫チェックポイント阻害療法を奏功させることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、臨床治験Phase IIに進んでいるエピルビシンミセルとその他の膵臓癌で承認されている抗癌剤と組み合わせることによって、癌間質細胞、ECMのバリアーを越える可能性をマウス同所モデルによって検証した。その結果、エピルビシンミセルと免疫チェックポイント阻害剤の2剤併用で ECMの分解が観察された。さらにゲムシタビンを加えた3剤併用で悪性度の高いK-ras/p53の変異株KPCモデルの完治を確認した。完治したマウスに癌を再投与、もしくは、肝転移モデルを用いると、再発・転移を抑制した。これは、再発した膵臓癌のあたらしい治療法となりうることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵臓がんの治療薬は、1stラインはnab-PTX+GEM, もしくは、FOLFIRINOX、2ndラインはnal-IRI+5FU/LVであり、複数の抗がん剤併用である。しかしながら、5年生存率は5%と効果がないといってよい。本研究は、もっとも膵癌で用いられている1stラインと比較して、 エピルビシンミセル+aPD1+GEMがマウス膵癌同所モデルにおいて、高い効果を示し、がんの完全寛解と再発の抑制、転移の抑制の結果を得た。使用したaPD1, GEMは膵癌で用いられている抗癌剤で、エピルビシンミセルもPhase IIまで行っているナノメディシンであり、患者さんには、朗報になると考えている。
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