研究課題/領域番号 |
21H02794
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
吉本 光喜 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 主任研究員 (00345638)
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研究分担者 |
和田 俊一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (30278593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 核医学治療 / CD44 / ペプチド / がん幹細胞 / 225Ac / Ac-225 / アルファ線核種 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、がん幹細胞を含めた統合的がん治療を目的にした治療方法の開発を目指す。ドラッグデリバリーシステムと放射線照射を融合した核医学治療は、新しい放射線治療である。申請者は、がん幹細胞に加えがん細胞にも発現しているCD44に着目し、新規アルファ線核種標識CD44結合ペプチドの合成とその機能評価、さらに治療効果や副作用を検証することにより、その有用性を評価する。
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研究実績の概要 |
ドラッグデリバリーシステムと放射線照射を融合した核医学治療は、新しい放射線治療である。本研究課題では、がん幹細胞に加えがん細胞にも発現しているCD44に着目し、がん幹細胞を含めた統合的がん治療を目的にした新規アルファ線核医学治療の開発を目指す。 R4年度は、腫瘍集積の改善を期待し、新たに2種類のDOTA-CD44結合ペプチド(DOTA-RP-1、DOTA-P7)の合成に着手した。ペプチドの合成は昨年度と同様に、Fmoc-固相合成法で行った。固相合成の樹脂としてCLEAR-Amide Resinを用い、アミノ酸 (Fmoc-AA-OH) のカップリングには1-hydroxybenzotriazole (HOBT), N,N’-diisopropylcarbodiimide (DIPCI) を用いた。またDOTAのカップリングに関しては、 tri-t-butyl 1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetate/HOBT/DIPCI で行った。 N-末端まで縮合後、樹脂からの切り出し及びアミノ酸側鎖の脱保護は、トリフルオロ酢酸を主成分とする試薬で行い、HPLCで精製後、MALDI-TOF-MS で分子量を確認することにより目的のペプチドが合成されていることを確認した。得られたペプチドを111Inで標識し、マウスにおける体内分布を調べた。その結果、111In-DOTA-RP-1及び111In-DOTA-P7は昨年度のペプチドに比べ腫瘍への高い集積を示した。一方、一般的な放射性ペプチドにみられるように、腎臓への高集積が観察された。また、血液クリアランスは遅く、投与4時間後においても4%ID/g以上が残存していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍へ高集積を示すペプチドを見出すことに成功した。今後、治療に向けた検討を進めることができる
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今後の研究の推進方策 |
まず、111In-DOTA-RP-1及び111In-DOTA-P7の体内動態について、詳細に検討する。投与4時間後においても高い血中放射能が観察されたため、投与3~5日後までの組織分布を観察する。また、競合阻害実験やCD44発現の有無による腫瘍集積性を観察し、CD44特異的集積であることを証明する。その上で、225Ac(もしくは177Lu)での治療効果を検討する。
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