研究課題
基盤研究(B)
薬物依存は精神と肉体を蝕み、自己のみならず家族をも不幸に巻き込む由々しき問題であり、社会的関心は非常に高い。しかしながら、薬物依存の病態メカニズムの解明は未だ十分でない。本研究では、情動と行動を繋ぐ脳部位である大脳基底核を中心とする薬物依存に関わる神経回路を考え、覚醒状態の齧歯類を用い、1)脳深部イメージング法により、薬物依存形成に拘わる神経回路動態を可視化する、2)その神経回路動態を基に、光遺伝学による人工神経活動操作を行い薬物探索行動の変容を導く、ことを目標とする。
昨今、各種報道において、「依存症」という言葉を目にしない日は無い。なかでも、薬物依存は精神と肉体を蝕み、自己のみならず家族をも不幸に巻き込む由々しき問題であり、社会的関心は非常に高い。しかしながら、薬物依存症の病態解明は今だ十分でない。本研究では、薬物依存の脳内機構を開発するためマウス用の薬物依存形成行動課題を開発した。また報酬関連行動に関与すると考えられる大脳基底核のなかで淡蒼球に焦点をあて、視床下核に投射する淡蒼球ニューロンと線条体に投射する淡蒼球ニューロンでコカインに対して、どのような応答特性があるかを調べた。加えて、脳内ミクログリアのコカインに対する応答に関しても検討を加えた。
日本における薬物依存の研究、なかでも脳内メカニズムに関する基礎研究は数少ない。本研究によって明らかにされた、大脳皮質―大脳基底核神経回路における、神経細胞とグリア細胞を中心とした薬物依存の脳内メカニズムの機序は、ギャンブル・アルコールなど他の依存症の病態解明にもつながる。また、脳神経回路を人工的に操作することで、薬物依存症を治療すること、また予防法を導くことで、個人の健全な生活を維持させる効果のみならず、犯罪防止など負の社会的要素を除去するという点でもインパクトは大きいと期待される。
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