研究課題/領域番号 |
21H02811
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
祖父江 憲治 岩手医科大学, その他, 学長 (20112047)
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研究分担者 |
八木 淳子 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80636035)
清水 厚志 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (30327655)
赤坂 真奈美 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00405797)
真柳 平 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (20432544)
福本 健太郎 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00514407)
大桃 秀樹 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 特任准教授 (90453406)
小巻 翔平 岩手医科大学, いわて東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (90789629)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 幼少期ストレス / 発達障害 / DNAメチル化 / バイオマーカー / 周産期・幼少期ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、周産期・乳幼児期にストレスを受けた児の唾液検体からのゲノムDNAメチル化解析および唾液中ホルモン・サイトカインの定量を行い、周産期・幼少期ストレスの履歴あるいは行動・心理特性と相関を持つCpGサイトの特定を試みる。周産期・幼少期ストレスに伴う発達リスク、情動・行動特性素因およびストレス脆弱性に対する客観的な評価につながるバイオマーカーの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
研究参加者の基準条件について再検討の必要が生じたため倫理委員会などへの各種承認に時間を要したが、特に乳幼児期の強い逆境経験の影響に注目した独自性のある研究として開始することができた。承認を得た実験計画に基づいて研究対象となる小学生およびその保護者のリクルートを進めた。幼少期逆境経験(ACE)およびトラウマ経験の有無により研究対象として基準を満たした研究参加者に対し、発達状態および行動に関する各種調査(ウィクスラー式知能検査、子どもの問題行動調査、発達障害・精神疾患に関する調査[自閉スペクトラム症、注意欠如多動症およびその他の精神疾患]を実施し、あわせて唾液検体の採取を進めた。 また、並行して唾液由来DNAを検体として独自のキャプチャープローブを用いたDNAメチル化解析条件を選定するフィーシビリティスタディを実施した。設定した検体採取方法では口腔内細菌由来のDNAの影響は少なく、血液検体の場合と同様に95%程のデータがマッピングされ、およそ150万箇所のCpGサイトのDNAメチル化状態の測定が可能であった。フィーシビリティスタディによって得られた解析条件に基づいて、参加者より得られた唾液由来のDNAメチル化解析を進めている。研究期間内に予定する検体数の解析を実施し、客観的生物学的指標として幼少期逆境経験と相関を示すメチル化CpGサイトの特定を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者の基準設定など研究計画の変更に伴う承認手続きに時間を要した。だ液検体由来のDNAメチル化解析に際して、解析条件に関するフィーシビリティスタディと研究参加書のリクルートおよび調査・検体採取を並行して実施した。フィーシビリティスタディにより唾液検体を用いたDNAメチル化解析について適切な条件を決定した。研究参加者リクルートおよび調査・検体採取は期間内に一定数の実施が完了した。採取検体由来のDNAメチル化解析および調査データの解析を進めている。本研究の研究対象は小学生およびその保護者であるためCOVID-19感染拡大時にはリクルートおよび調査・検体採取を控える必要があったため予定より遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
フィーシビリティスタディより得られた適切な解析条件に沿って、研究参加者より採取された唾液検体由来のDNAメチル化解析を進めている。 参加者のリクルートおよび調査・検体採取については遅れが生じたが、COVID-19感染症の制限緩和も受けて、児童精神科および小児科での研究対象者の積極的な研究参加勧奨の取組みの実施を始めている。臨床心理士、精神保健福祉士らの研究参加者に対する発達状態および行動に関する各種調査の実施に必要な人員体制も前年度までに拡充したため円滑な遂行が可能となっている。研究期間内に予定する検体数の解析を実施し、客観的生物学的指標として幼少期逆境経験と相関を示すメチル化CpGサイトの特定を目指す。
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