研究課題/領域番号 |
21H02816
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
加藤 総夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20169519)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 慢性痛 / 炎症 / 中枢性感作 / 腕傍核 / 扁桃体中心核 / FosTRAP / 痛覚変調性疼痛 / オピオイド受容体 / 内因性オピオイド / 光遺伝学 / CGRP / Muオピオイド受容体 / lipopolysaccharide / 痛み / 扁桃体 / FosTRAPマウス / 広汎性痛覚過敏 / 化学遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
組織損傷や感染にともなう炎症は,局所的炎症応答を介して侵害受容神経を活性化させるが,炎症部位とは離れた広汎な部位に異所性の痛覚過敏を生じさせる.本研究では,炎症が,どのような機構で,痛み,それも全身の離れた部位に広がる広汎性の痛みを生じさせるのかを解明する.全身からの侵害受容情報を受け取るとともに,中枢性感作の中核機構としても機能する腕傍核ー扁桃体中心核系が,炎症によって強く活性化する事実を申請者らは見出しており,侵害受容情報と炎症情報が,腕傍核-扁桃体系を活性化してその可塑的変化を促すことにより,痛みの増強や異所性痛覚過敏などの中枢性感作を伴う慢性痛状態への移行を促す可能性を検証する.
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研究成果の概要 |
以下を明らかにした.(1)短時間の局所炎症は腕傍核-扁桃体系の活性化と可塑的変化を誘発し,(2)この変化は,痛覚変調性疼痛である長期持続性の広汎性痛覚過敏を引き起こす.(3)腕傍核-扁桃体中心核ニューロン間の興奮性シナプス伝達はオピオイドによってシナプス前性に顕著に抑制される.オピオイド鎮痛薬の主標的であるともに,痛みの遅発性の慢性化を予防しうる可能性がある.(4)全身性炎症の初期相において,内因性オピオイドによるシナプス伝達抑制が生じ痛覚過敏が抑えられる可能性がある.侵害受容器の活性化とともに生じる炎症系の活性化は,腕傍核-扁桃体系の活性化を通じてその後の慢性的な痛覚過敏の成立の鍵を握る.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
侵害受容器の活性化とともに生じる炎症系の活性化は,腕傍核-扁桃体系の活性化を通じて,その後の慢性的な痛覚過敏の成立の鍵を握ることを明らかにした.今後の慢性痛予防と治療医大きな影響と示唆をもたらす研究成果である.
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