研究課題/領域番号 |
21H02820
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2023) 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
七田 崇 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00598443)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 神経修復 / 脳修復的脂質 / 脳卒中 / 脳卒中学 / 神経細胞 / 機能回復 / 脂質代謝物 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では高齢化社会が進み、脳卒中患者が増加することが予想されている。脳卒中は死因の第4位、寝たきりの原因の第1位を占めており、健康寿命を短縮させる主要因となっている。本研究では、脳梗塞組織で生成される脳修復的な効果を持つ脂質に着目し、その詳細な作用機序を明らかにする。脳梗塞モデルマウスを用いて脳修復的な脂質の治療効果を証明し、治療法として確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
脳損傷後に神経修復が起こり、脳機能がある程度回復することは知られていたが、どのような分子メカニズムによって神経修復が開始されるのかは不明であった。本研究は脳梗塞後に産生される脳修復的な脂肪酸代謝物ジホモγリノレン酸や15-HETrEが神経修復の引き金となり、PADI4によるヒストンのシトルリン化を介して修復遺伝子の発現を誘導する事を証明した。DGLAや15-HETrEの投与によって脳梗塞モデルマウスの神経症状を改善することができたほか、同等の修復機転が脳梗塞患者の脳組織においても観察された。脳修復的な脂質を摂取することで脳卒中後の機能予後を改善する新規治療法への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題によって発見できた脳修復的脂質は食事で摂取することにより脳に蓄積させることが可能である。脳機能回復を促進させる食事療法の開発のほか、実際に脳修復的脂質が不足している患者(脳梗塞、軽度認知障害、心筋梗塞、糖尿病、加齢など)が存在することが既に知られているため、脳修復作用が低下している患者をスクリーニングする診断技術、検査薬の開発が期待できる。既にPCT出願済みであり、新たな脂質異常症の概念の確立に向けた構想を練っている。
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