研究課題/領域番号 |
21H02844
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
里 直行 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 副センター長 (70372612)
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研究分担者 |
長谷川 成人 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 分野長 (10251232)
村山 繁雄 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任教授(常勤) (50183653)
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
宮崎 早月 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60452439)
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | Alzheimer's disease / diabetes / obesity / 糖尿病 / 認知症 / 肥満 / 遺伝子発現 / 老化 / 加齢 / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病や加齢が認知症の後天的危険因子であることが注目されている。本研究では、糖尿病および加齢による認知症促進メカニズムを多角的に明らかにする。さらにそれらに基づく認知症の新規治療薬の標的分子を同定することを目標とする。βアミロイドやタウを直接標的としない画期的な認知症の創薬がねらいである。本研究においては: ●糖尿病およびADの合併による寿命の短縮化におけるグリア系細胞の役割を明らかにする。 ●神経原線維変化の進展に対する糖尿病および加齢の影響を明らかにする。 ●βアミロイドに対する生体防御反応の糖尿病および加齢の影響を明らかにする。 ●細胞老化のAD病態における役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
糖尿病や加齢は認知症の後天的危険因子である。本研究では、糖尿病および加齢による認知症促進メカニズムを明らかにすることを目的とした。米国データ・ベースの解析から、認知症における肥満パラドックスを見出し、それはAPOE遺伝子型で異なることを見出した。さらにその機序として老人斑の低下が示唆された。さらに肥満・糖尿病合併アルツハイマー病(AD)マウスの単一細胞解析を行い、そのメカニズムを明らかにしつつある。また一過性にβアミロイド(Aβ)を発現するマウスを用いて若年期と高齢期ではAβの認知機能に与える効果が異なることが見出した。このことは加齢がADの最大の危険因子であるメカニズムである可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗Aβ抗体療法が臨床使用に可能になり、認知症医療は大きく変わろうとしている。2022年時点では全人口の3.5%の方が認知症であり、2060年には全人口の6.7%の方が認知症となると予想されていることから、社会的な負担が今後さらに増すと考えられる。本研究においては、認知症における肥満パラドックスを見出し、それはAPOE遺伝子型で異なること、さらにその機序として老人斑の低下が示唆された。この肥満によるAβの低下のメカニズムを明らかにすることによるあらたなAβ低下の戦略を立てることが可能となる。さらに加齢による認知症促進のメカニズム解明はさらに新たな認知症治療薬の開発につながる可能性がある。
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