研究課題/領域番号 |
21H02883
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊東 恭子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (80243301)
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研究分担者 |
藤本 崇宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10446114)
伏木 信次 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (80150572)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 胎児医学 / 体細胞モザイク / 脳形成異常 / 脳オルガノイド / 子宮内電気穿孔法 / 神経幹・前駆細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
体細胞遺伝子異常のモザイク、特にPI3K-AKT-MTOR経路のシグナルかく乱を背景とする脳形成異常の分子メカニズムは不明である。本研究では、マウス胎仔脳に子宮内電気穿孔法により標的遺伝子の導入を行い、その後の神経幹・前駆細胞(NSPCs)の増生、神経細胞の分化・移動と定着、軸索、樹状突起の発達、神経回路の形成過程を動的に解析する。さらに、ヒトNSPCsを用いたin vitroの系で、標的遺伝子のモザイク脳オルガノイドを作製し、個細胞レベルにおけるエピゲノム・分子発現変動から細胞系譜・分化動態を解明するとともに、胎児期分子標的医療のための創薬スクリーニングを目指した探索的研究を行う。
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研究実績の概要 |
pmCherry-N1ベクターを骨格として、プロモーターをpCMVからpCAGに変更、HA-tag、かつ細胞膜移行シグナルCaaXを入れたベクターに、AKT1 E17K、PIK3CA E545Kを挿入し、変異遺伝子とWTのベクターを作製した(pCAG-AKT1-HAtag-P2A-mCherry, pCAG- AKT1-HAtag-P2A-mCherry-CaaX、pCAG-AKT1E17K-HAtag-P2A-mCherry, pCAG- AKT1 E17K -HAtag-P2A-mCherry-CaaX、pCAG-PIK3CA-HAtag-P2A-mCherry, pCAG- PIK3CA -HAtag-P2A-mCherry-CaaX、pCAG-PIK3CAE545K-HAtag-P2A-mCherry, pCAG- PIK3CAE545K -HAtag-P2A-mCherry-CaaX)。 胎齢13.5日にin utero electroporationにより、上記プラスミドを胎仔脳脳室帯神経幹・前駆細胞に導入後、胎齢15.5日、16.5日、17.7日の胎仔脳を組織解析した。変異遺伝子(AKT1E17K)導入細胞は、PIK3-AKT-mTORシグナルが過活性化されており、幼弱な神経細胞はサブプレートから中間帯に結節状に残存し、皮質板への遊走が抑制されていた。これらの神経細胞では、皮質神経細胞の層マーカとなる複数の転写因子群の発現がかく乱されていた。今後、分化・遊走障害の分子メカニズムを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の感染拡大下ではあるが、十分な感染予防対策を講じて、研究はほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1. in vivo での動的解析 1-1) pCAG-gene-HAtag-P2A-mCherry、pCAG-gene-HAtag-P2A-mCherry-CaaXを用いて、変異遺伝子(AKT1 E17K、PIK3CA E545K)と野生型(AKT1、PIK3CA)のベクターを作製した。1-2) マウス胎仔脳への遺伝子導入と細胞挙動解析:作製した蛍光標識ベクターを、胎齢13.5日のマウス胎仔(C57BL/6系統)の側脳室脳室帯に子宮内電気穿孔法で導入し、モザイク脳を作製する。遺伝子導入1-3日後に胎仔脳を摘出し、組織切片(200μm)を作成しCO2細胞培養チャンバー内で組織培養を行い、共焦点レーザ顕微鏡下のタイムラプスで導入細胞の移動、突起伸長を24時間~48時間観察する。1-3) 空間的遺伝子発現解析:胎齢13.5日のマウス胎仔脳側脳室脳室帯に子宮内電気穿孔法でベクターを導入し、胎齢15.5日の胎仔脳を対象にVisiumを用いて空間的遺伝子発現解析を行なう(受託解析)。 2. in vitroでの解析 2-1) episomal型ベクター作製:ヒトNSPCsに安定発現させるベクター作製を行なう。目的遺伝子は、これまで同定されたヒト遺伝子異常:AKT1[c.49G>A p.(Glu17Lys)]、PIK3CA [c.1633G>A p.(Glu545Lys)]とする。蛍光標識episomal型蛋白発現ベクター(pEBMulti-Puro)を用いる。2-2) c-Myc導入により不死化したヒト正常胎児由来神経幹・前駆細胞(以後NSPCs)に、2-1)のベクター導入を行ない、安定発現株を樹立する。遺伝子導入したNSPCs、遺伝子非導入(正常)NSPCsを至適な割合(0.2~0.4:1)で混合し、特殊微小環境下で14-28日間培養し、脳オルガノイドを形成し、組織学的に解析する。
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