研究課題/領域番号 |
21H02888
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
大野 聖子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 部長 (20610025)
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研究分担者 |
ZANKOV DimitarP 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20631295)
牧山 武 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30528302)
相庭 武司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40574348)
福山 恵 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60625771)
加藤 浩一 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70736983)
園田 桂子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (90824417)
高山 幸一郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (20816988)
Wang Qi 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70756767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 遺伝性不整脈 / ゲノムDNA構造異常 / ゲノム構造多型 / long read sequencer / DNA構造異常 / DNA構造多型 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性不整脈は若年者突然死の原因となる疾患であり、これまでの研究で疾患の原因となる遺伝子および遺伝子変異が同定されてきた。しかし未だ変異が同定されていない症例がある。その原因として、これまでのシークエンサーでは同定困難な変異、つまりDNA構造多型が考えられている。本研究では、DNA構造多型の検出可能なシークエンサーを用い、遺伝性不整脈患者に対するスクリーニングを実施する。さらにiPS由来心筋細胞を用い、同定された構造多型がどのように疾患発症に関与しているのか、研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は遺伝性不整脈患者において、ゲノム構造異常 (SV) が原因となっている症例を抽出し、SVがどのようなメカニズムで疾患発症と関連しているか解明することを目的としている。令和4年度は269人の遺伝性不整脈患者に対しshort read sequencer (SRS)でのスクリーニングを実施した。SRSでのデータを解析したところ、8名にSVが疑われた。このうち3名は先天性QT延長症候群 (LQTS) の診断で、その原因遺伝子であるKCNQ1とKCNH2にSVが検出されたため、Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification (MLPA) 法にてSVを確定した。KCNQ1の複数エクソンの欠損と重複が1名ずつ、KCNH2の複数エクソン欠損が1名だった。このうちKCNQ1重複例については、LQTSと診断されている家族についても同様の重複を同定した。2名は不整脈原性右室心筋症の診断で、その原因遺伝子であるPKP2のSVが検出され、MLPAで確定した。心室頻拍の患者に同定されたSCN5AのSVについてはMLPAでの確認を予定している。徐脈患者に同定されたLMNAのSVについては、long read sequencer (LRS) を用いたcapture法でのprobeデザインを進めており、LRSでの解析予定である。さらに心臓の左右決定に関する遺伝子の重複を失神既往のLQTS疑い患者に同定しており、この重複範囲をLRSで確定するとともに、iPS細胞を樹立して機能解析の実施を検討している。 また昨年度同定したKCNH2のlarge deletionについては、LRSでのライブラリ調整を行い、解析を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3-4年度に500名を超える遺伝性不整脈患者について、ゲノム構造異常(SV)のスクリーニングを実施した。その結果、14名のSV保持者を同定した。その多くはMLPA法での解析が可能なエクソン単位でのSVであったが、一部は遺伝子レベルでのSVであった。またこれまで不整脈発症の病態が明らかにされていない新規遺伝子にもSVを同定し、今後疾患モデルを作製し、解析を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も200名程度の新規患者のゲノム構造異常(SV)の解析を実施予定である。機能解析については、R3年度にSLC8A1の重複が確認された症例については、さらに臨床像を収集し、iPS細胞を用いた機能解析を予定している。またR4年度に同定された新規遺伝子重複についても、LRSで確認後にiPS細胞の樹立を予定している。
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