研究課題/領域番号 |
21H02889
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
白井 学 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (70294121)
|
研究分担者 |
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
劉 祐誠 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (50894698)
若林 真樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (70552024)
笹井 紀明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80391960)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 心臓前駆細胞 / エピジェネティック因子 / 先天性心疾患 / 転写調節因子 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児の約100人に1人の頻度で生まれる先天性心疾患の発症・重症化には遺伝的要因はもとより、母体を含む周囲環境からのエピジェネティックな要因が強く関与することが、近年の研究により明らかにされている。心臓前駆細胞を含む鰓弓・側板中胚葉中の多分化能を持つ細胞は、Isl1を始めとする転写因子のみならず、含むエピジェネティック因子も特異的な発現パターンを示す。本研究では、1細胞レベルで詳細なトランスクリプトーム解析、エピジェネティック解析を用いることで、心臓前駆細胞の増殖・分化・遊走を制御する転写因子とエピジェネティック制御機構のクロストークを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
発生中の鰓弓・側板中胚葉に存在する心臓前駆細胞の増殖、分化、遊走を制御する転写因子とエピジェネテティック因子のクロストーク解明を行った。本研究では特に、DiGeorge症候群の原因遺伝子の一つであるTbx1とPhc1との関係についてより詳細な解析を行い、Tbx1発現変動が確認された細胞群とPhc1高発現細胞群が異なることを発見した。本研究の成果により、Phc1発現細胞群とTbx1を発現する心臓前駆細胞群の間に複雑なCell-cell communicationが存在することが仮説され、これを紐解くことが先天性心疾患発症の複雑なメカニズム解明の一助となる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DiGeorge症候群を含む染色体22q11.2欠損症候群は、心臓流出路の先天性疾患を伴った胸部組織の形成異常、特徴的顔貌を呈する。これらの症状は、胎仔鰓弓・側板中胚葉における多能性間葉系細胞の増殖・分化・遊走障害により発生する。本研究において、エピジェネティック因子であるPhc1の高発現細胞群と転写因子Tbx1を発現する心臓前駆細胞間に複雑なCell-cell communicationが存在する可能性が示唆されたことにより、ヒト先天性心疾患発症及び重症化機構の解明に向けた心臓前駆細胞とその周辺細胞とのcommunication解明が新たな分子基盤構築の一助となることがわかった。
|