研究課題/領域番号 |
21H02897
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大島 茂 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (50376787)
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研究分担者 |
宇尾 基弘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20242042)
岡本 隆一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | クローン病 / A20 / 腸炎 / ユビキチン / ニッケル / 炎症性腸疾患 / 生命金属 / オートファジー / TNFAIP3 / TNFAIP3/A20 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、食品等から採り込まれた生命金属は必要量のみが吸収され、余剰分は速やかに体外に排除・排泄されるため、消化管疾患発症の要因とは考えられていなかった。しかしながら生活習慣等の変化により多彩な生命金属に暴露する機会や総曝露量が増加したことにより、従来の考え方を転換する必要性が高まっている。このように、「腸内環境における生命金属の役割」の解明と新たな角度からの病態理解を行う研究である。
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研究成果の概要 |
クローン病の腸管組織にはニッケル粒子が沈着していることを発見しました。これまでの我々の追加研究では、大腸がん組織や潰瘍性大腸炎の組織にはニッケル粒子の沈着は見られませんでした。細胞株を用いてニッケル粒子が細胞死やサイトカイン産生などを誘導することを明らかにしました。また、クローン病の遺伝的要因であるA20/TNFAIP3の変異を持つマウスを用いて、ニッケル粒子が腸炎を悪化させることを明らかにしました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は、日本で急増している原因不明の消化管難病です。これらの病気の発症に直結する決定的な環境因子はまだ特定されていません。今回、これまで全く解析されていなかった生命金属の観点から調査を行い、クローン病の腸管組織にニッケル粒子が沈着していることを発見し、動物モデルで検証しました。健康な人では経口摂取した生命金属は体外に排出されますが、クローン病の遺伝的背景を持つ人(A20/TNFAIP3変異など)では、何らかの理由でニッケル粒子が腸管に蓄積し、炎症に関与するという新しい仮説が提唱され、大きなインパクトを与えています。
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