研究課題/領域番号 |
21H02903
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹原 徹郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70335355)
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研究分担者 |
巽 智秀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20397699)
疋田 隼人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20623044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / p53 / 細胞老化 / 肝前駆細胞 / 肝癌 / P53 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞は、慢性肝疾患において多彩な傷害刺激に曝されており、ストレス応答の一つとしてp53が活性化している。マウス肝細胞でp53を活性化させると、肝前駆細胞マーカー陽性細胞が出現し、肝発癌が誘導されることを見出している。そこで本研究課題では、慢性肝疾患における肝細胞のp53活性化が、肝臓を構成する多彩な細胞との間で行われる細胞間情報伝達ネットワークを介して、肝前駆細胞由来肝発癌を惹起する機序を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
慢性肝疾患におけるp53の活性化は肝細胞死・細胞老化による慢性炎症を惹起し、肝前駆細胞を起源とする細胞非自律的な肝発癌を誘導することが示された。肝前駆細胞の造腫瘍性にはレチノイドシグナルの減弱が関与していることが示唆された。またレチノイド誘導体の非環式レチノイドによるレチノイド補充療法が発癌予防に有効であることが示された。本研究成果に基づき、慢性肝疾患に対する活性化p53を標的とした新規発癌予防法の開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性肝疾患患者において活性化したp53が発がん予防の標的になる可能性が示されました。肝細胞がんはひとたび発症すると治療しても再発率が高いことが特徴で、本邦におけるがんの死因の第5位を占める難治がんです。これまで肝細胞がんの予防には、肝炎ウイルスに対する抗ウイルス療法など、慢性肝疾患の原因に対する治療以外に方法がありませんでしたが、本研究により新たな肝発がん予防法の開発に繋がる可能性があります。本研究に用いたペレチノインはこれまで肝細胞がんの発症を抑える効果が報告されている薬剤であり、p53の活性化した慢性肝疾患患者において初の「がん予防薬」になる可能性が期待できます。
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