研究課題/領域番号 |
21H02912
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 善紀 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (20447965)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 心外膜細胞 / 心筋細胞 / iPS細胞 / CDH18 / オルガノイド / 多能性幹細胞 / 分化 / 増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト多能性幹細胞は、再生医療や創薬研究などへの応用が期待される。心臓領域においてその研究は心筋細胞を中心に進んでおり、心臓の組織の約7割を占める非心筋細胞については、その重要性にもかかわらず、理解は十分には進んでいない。心外膜細胞は胎生期に心外膜前駆組織から生じ、心臓を形成する様々な細胞に分化する多分化能を持つことが知られている。心外膜細胞特異的制御因子の機能解析を通して、心臓発生における心外膜細胞の分化・増殖メカニズムを解明し制御する方法を確立することにより、より生体に近い機能的な心臓組織をin vitro、in vivo両方で多能性幹細胞を用いて構築することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究は心臓を構成する非心筋細胞の最も重要なソースである心外膜細胞のバイオロジーの理解に焦点を当てた。iPS細胞から心外膜細胞を安定して作製する方法を確立し、CDH18が心外膜細胞に特異的に発現し、同遺伝子をノックダウンすることにより心外膜細胞は平滑筋細胞への分化が促進されることを明らかにした。さらに特定のシグナルの阻害により心外膜細胞を成熟誘導することが可能であることを明らかにした。 また心外膜細胞と心筋細胞を用いてオルガノイドなどの成熟心臓立体組織を作製する方法を確立し、免疫不全マウスの心筋梗塞モデルに心臓オルガノイドを移植することにより心筋組織の再建治療が可能であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞から作製したヒト立体心筋組織は再生医療や創薬研究において今後重要な役割を担うことが期待されているが、成人の心筋組織に近いような心筋組織の作製法については確立されていない。その理由として、心筋組織において大きな割合を占める非心筋細胞についての理解が進んでいないことが挙げられる。心外膜細胞は心臓の臓器形成において非心筋細胞の主要なソースとなる細胞である。本研究は心外膜細胞のバイオロジーを理解し、iPS細胞から作製した心外膜細胞の制御法を確立し、立体心筋組織の作製法の確立を目指す研究であり、心筋組織を用いた再生医療や創薬研究の発展に寄与することが期待される。
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