研究課題/領域番号 |
21H02913
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
大津 欣也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 理事長 (20294051)
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研究分担者 |
種池 学 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30609756)
山口 修 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (90467580)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 心不全 / 炎症 / DNA分解 / マイトファジー / DNAメチル化 / 心筋炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国を含む先進国における主要死因の一つが心不全であり、新規治療法の開発が求められている。心不全の発症進展において無菌性炎症は重要な役割を果たす。障害ミトコンドリア由来の活性酸素種産生や、強い炎症惹起性を持つミトコンドリアDNAを介して、ミトコンドリアは心不全における無菌性炎症の起点となる。ミトコンドリアの品質維持を担うマイトファジーやミトコンドリアDNAのメチル化制御機構は、炎症の抑制的制御に重要な役割を持つ。本研究では、これらの分子機構を解明し、心不全病態における無菌性炎症を制御し、新規治療法に繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミトコンドリアの品質維持を担うマイトファジーやミトコンドリアDNAのメチル化制御機構及びそれに続く炎症を制御し、心不全治療に結び付けるべく、それらの分子機構を解明することを目的とした。我々が同定したBcl2-L-13が圧負荷心においてもマイトファジー及びミトコンドリア分裂を制御し、心臓のストレス応答に重要であることを示した他、ミトコンドリアDNAのメチル化制御機構については、圧負荷心におけるメチル化の変化を検出することに成功した。ミトコンドリアDNA分解不全に対しては、DNA分解酵素を抑制するmicroRNAを同定し、心不全モデルマウスへのオリゴDNA製剤投与実験を行うに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリア分解不全により、心筋細胞内にミトコンドリア(mt)DNAが蓄積することで炎症が惹起され、心不全発症につながると考えられている。本研究では、圧負荷心において障害ミトコンドリア分解に関わるBcl2-L-13が恒常性維持に重要であることや、mtDNAのメチル化に変化がおこることを示し、心不全治療の標的になりうる可能性を示した。また、DNA分解酵素を負に制御するmicroRNAを、DNAオリゴ製剤の標的として投与実験を行い、基礎的データを取得できた。これらは、ミトコンドリア分解のメカニズム解明という学術的意義のみでなく、今後、新規心不全治療薬を開発するうえで非常に有意義な成果である。
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