研究課題/領域番号 |
21H02922
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
|
研究分担者 |
田中 繁 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30822051)
岩田 有史 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90436353)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | Asthma / remodeling / Treg / epithelial cells / 気管支喘息 / リモデリング / サイトカイン / 気道リモデリング / スーパーエンハンサー / 組織修復性制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息の長期罹患例では、気道リモデリングにより肺機能が低下する。気道リモデリングの病態にはTh2細胞が産生するIL-13や多くの細胞が産生するTGF-bの関与が示されているが未だ不明な点が多い。気道リモデリングの修復機転に関する知見はさらに少ない。近年、組織修復に重要な役割を果たす制御性T細胞(Treg)の亜集団Repair Tregの存在が示されたが、気道リモデリングにおけるRepair Tregの役割は不明である。本研究では気道リモデリングにおけるRepair Tregの働きを包括的に解析し、Repair Tregの移入により気道リモデリングの修復を図る新規喘息治療法の基盤を構築する。
|
研究成果の概要 |
「喘息における気道リモデリングは非可逆的である」と一般に信じられているが、その科学的根拠は乏しい。近年、皮膚では上皮幹細胞が過去の炎症を記憶し、反応性を変化させることが示されたが気道リモデリングにおける上皮細胞炎症記憶の関与は不明である。本研究では、気道上皮細胞の炎症記憶を包括的に解析した。その結果、気道上皮細胞には炎症収束後もエピジェネティック変化が残存することを見出した。さらにアレルギー性炎症が収束した後の気道上皮細胞は非特異的刺激に対する炎症性サイトカインの産生が低下していた。以上より、喘息において持続する上皮細胞の機能障害が気道リモデリングの病態形成に関与している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喘息は人口の約6%が罹患する最も有病率の高いアレルギー性呼吸器疾患である。吸入ステロイド薬に加え、IgE、IL-5、IL-4/IL-13、TSLPを標的とした抗体医薬が臨床応用され、2型炎症が優位な喘息の治療選択肢は増えたが、未だに治療困難な患者が多数存在する。特に長期罹患例においては、気道リモデリングの進行により肺機能が低下する。一般に気道リモデリングは非可逆的変化と考えられており、気道リモデリングが進行した患者の治療は困難なため、アンメットメディカルニーズが存在する。本研究の達成により気道リモデリングの修復が可能になれば、長期罹患喘息の新たな治療法の開発に至る可能性がある。
|