研究課題/領域番号 |
21H02935
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
猪阪 善隆 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00379166)
|
研究分担者 |
山本 陵平 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 准教授 (00533853)
木村 友則 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難病・免疫ゲノム研究センター, プロジェクトリーダー (00631300)
井上 和則 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10631301)
水井 理之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30423106)
松井 功 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60456986)
高畠 義嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30403075)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
|
キーワード | Single cell RNA seq / AI / CKD / シングルセルRNA-seq解析 / エクソソーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の透析患者の増加は医療経済的にも重大な問題であり、その対処法開発は喫緊の課題 である。2018年度腎疾患対策報告書の掲げるkey performance indicator (KPI)である、「2028年までに新規透析導入患者数を10%削減すること」を達成するために早期慢性腎臓病 (CKD)患者の精密医療を目指した予後評価法を開発する。
|
研究実績の概要 |
シングルセルRNA-seq解析は、RNAの発現量を1細胞ごとに網羅的に計測する技術で、腎臓のように多種多様な細胞で構成される臓器の解析において非常に有用な知見をもたす。本研究では、sequence read archiveに登録されている複数のシングルセルRNA-seqデータを再解析し、腎発生におけるnephron progenitorの自己複製プロセスや細胞間コミュニケーションなどを明らかとした。シングルセルRNA-seq解析では、trajectory解析やRNA velocity解析などを用いることで、従来のbulk RNA sequenceとは異なった側面から生命現象を捉えることが可能であり、本研究で引き続き、シングルセルRNA-seq解析を用いて予後を解析する。 また、腎臓病の発症および進展には、糸球体上皮細胞の足突起癒合や尿細管細胞のミトコンドリア障害などが関与しているが、これらの構造変化は非常に微細なため、日常臨床で使用する光学顕微鏡では観察できない。本研究では、腎生検による腎臓病診断に用いられたマッソントリクローム染色腎生検プレパラートをそのまま超解像度顕微鏡で観察することにより、上述の腎微細構造変化が観察可能であることを明らかとした。さらに、フーリエ変換を用いてこれらの構造変化を定量評価する方法を開発した。我々の方法を用いて尿細管細胞のミトコンドリア形態変化を定量評価すると、腎生検後の腎機能低下速度を予測できることも明らかとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングルセルRNA-seq解析やAIによる腎病理診断、エクソソーム解析によるバイオマーカーなど順調に研究を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
早期CKD患者の精密医療を目指した予後評価法を開発するために、①AIや超解像度顕微鏡を利用した組織学的側面からの新規腎病理評価法の確立、②腎生検組織のscRNA-seq解析やCKD患者の末梢血細胞のFACS解析を用いた一細胞レベルの精密な遺伝子発現及び細胞間コミュニケーションの検討、③尿エクソソーム解析によるオートファジー活性の非侵襲的定量法の開発を行うとともに、④既存の電子カルテ情報や新規腎病態マーカーとしてのD-アミノ酸解析データを組み合わせて、⑤AIを用いて腎予後を規定する本質的な特徴量を抽出する。
|