研究課題/領域番号 |
21H02945
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂田 麻実子 (柳元麻実子) 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80451805)
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研究分担者 |
三好 寛明 久留米大学, 医学部, 准教授 (30647780)
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (50625580)
藤澤 学 筑波大学, 医学医療系, 学振特別研究員 (70897066)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | がん微小環境 / 一細胞解析 / CAF / 悪性リンパ腫 / 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 / 間質細胞 / 透明化解析 / TET2 / AITL / RHOA / 微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は難治性がんの一つである。AITL組織にはがん細胞だけではなく、さまざまな細胞が浸潤し、がん細胞を支持する微小環境細胞として働くと考えられてきた。なかでも、間質細胞の一つである濾胞樹状細胞が増えており、がん細胞の生存に重要と考えられてきたが、その仕組みは明らかではなかった。本研究では、シングルセル解析などの新技術を用いて、異常な間質細胞の種類や分布を調べることで、AITLのがん微小環境を明らかにし、これに対する新しい治療戦略をたてる。
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研究成果の概要 |
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は、難治性の血液がんであり、間質細胞や血管内皮細胞の増生が特徴である。本研究は最先端の解析技術を用いてAITLの微小環境を明らかにすることを目的とした。一細胞解析の結果、AITLの間質細胞は従来考えられていた濾胞樹状細胞(FDC)は増加せず、癌関連線維芽細胞(CAF)の性質を持つ新たなサブクラスタを認めることが明らかとなった。マーカー遺伝子の発現から、炎症性CAFのマーカーを高発現するなどの特徴がみられ、固形がんでみられる間質細胞に近い特徴をもつことが明らかとなった。さらに、細胞外マトリックスの集合やコラーゲン生成に関連する遺伝子群が高発現していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、AITLの微小環境の構造的および機能的多様性について、より深く理解された。AITLは難治性の血液がんであり、治療が困難な患者が多い現状にある。そこで、本研究の成果は、AITLの病態メカニズムの理解を深めるのみならず、より効果的な治療法の開発に繋がると期待される。とりわけ、CAFや特定の血管内皮細胞サブクラスタをターゲットにした新しい治療戦略を提案できれば、患者の予後改善や治療成功率の向上が期待される。がん微小環境については未知の領域が多く、最新テクノロジーを利用した本研究の成果は、他の血液がんおよび癌腫の微小環境研究にも応用可能であり、広範な癌治療の革新に貢献すると期待される。
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