研究課題/領域番号 |
21H02967
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
和知野 純一 修文大学, 医療科学部, 准教授 (00535651)
|
研究分担者 |
黒崎 博雅 金城学院大学, 薬学部, 教授 (70234599)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
キーワード | メタロ-β-ラクタマーゼ / 阻害剤 / 化合物合成 / カルバペネム / X線結晶構造解析 / メタロβ-ラクタマーゼ / カルバペネマーゼ / 競合阻害 / 腸内細菌目細菌 / 薬剤耐性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
治療困難な薬剤耐性菌の蔓延が問題となっており、耐性菌感染症に対する新たな抗菌薬や治療法の開発が求められている。研究代表者らは、薬剤耐性菌の薬剤耐性機構を阻害する物質を、治療薬として利用することを考えている。薬剤耐性機構を抑制することで、既存の抗菌薬の薬効をreviveすることが可能となる。本研究では、抗菌薬の切り札として位置づけられる「カルバペネム系薬」を分解し、薬剤耐性機構の中でも、特に臨床で問題視されている「カルバペネマーゼ」を標的とした。細菌学、酵素学、構造生物学、計算科学、有機化学など異分野の技術を駆使し、臨床レベルで使用可能なカルバペネマーゼ阻害剤を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、2つの薬剤耐性タンパク質の機能を抑制する化合物の創出を目指している。今年度は、スクリーニング試験により発見したシード化合物を基盤に、その化合物を構造展開し、さらに阻害活性を増強することに注力した。 およそ半年の期間を費やし、化合物の構造展開を試みたが、複数の合成経路について検討したにも関わらず、目的の化合物を得ることはできなかった。そこで、代替案として、当初予定の化合物に構造が類似し、阻害活性増強が期待できる化合物を合成することとした。その結果、当該化合物については合成することができた。 合成した化合物について、in vitroにおける酵素阻害実験を行なったところ、薬剤耐性タンパク質Aに対する阻害活性は十分に認められたが、薬剤耐性タンパク質Bに対しては、極めて弱い阻害活性しか認められなかった。大腸菌を用いた試験においては、薬剤耐性タンパク質Aを発現する大腸菌に対して阻害活性が認められたが、薬剤耐性タンパク質Bを発現する大腸菌に対しては阻害活性が全く認められなかった。したがって、薬剤耐性タンパク質Bに対する阻害活性を増強するような化合物改変が必要であると考えられた。そこで、X線結晶構造解析により、薬剤耐性タンパク質Bと阻害剤との結合様式をあきらかにし、その座標情報を基盤に、化合物改変の方向性を決定することとした。現在、薬剤耐性タンパク質Bについては、回折データの収集に至適な結晶を得ることができている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化合物の合成に難航した結果、予定していた試験を実施することができず、全体的に進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
薬剤耐性タンパク質Bと化合物との複合体の座標情報を可能な限り早く入手し、化合物の構造展開に着手する。
|