研究課題
基盤研究(B)
本研究では、ヒトES/iPS細胞由来膵β細胞の分化誘導系を活用し、膵β細胞の成熟化・高機能化・機能制御に関与する分子及びその作用機序、ドパミンシグナル制御ネットワーク、およびβ細胞の不均一性を作り出す分子機序の解明を目指す。そのため、次の項目について進める。(1) ヒトES/iPS細胞の遺伝子操作プラットフォームによる成熟化関連遺伝子の機能解析;(2) ゲノムワイド遺伝子連関解析(GWAS)により同定された2型糖尿病(T2DM)関連遺伝子についてヒトES/iPS細胞遺伝子操作プラットフォームを用いた解析とその制御因子の同定;(3)ドパミンシグナルによる膵β細胞の機能制御の分子機構解明。
発生途中の膵臓β細胞において発現する代表的な2型糖尿病関連遺伝子としてC2CD4遺伝子がある。C2CD4と相互作用する分子について、たんぱく質近傍ラベリング法により検索し、複数の候補遺伝子を得て、その分子生物学的な解析を行った。また、膵島の機能制御において、ドパミンシグナルが抑制シグナルとして重要な役割を担っている。Drd1, Drd2の果たす役割について調べるために、膵臓β細胞に特異的にDrd1やDrd2の遺伝子ノックアウトマウスを作成し、インスリン分泌に対する効果を調べた。
糖尿病は患者が年々増加し、重篤な患者には移植医療が適応となっているが、ドナーとなる細胞が足りない問題点の解決には、再生医療による細胞移植治療が期待されている。再生医療を進めるためには、高機能なヒトiPS由来膵臓β細胞(SC-β)の効率的な作製方法の開発が重要である。これまで、ある程度機能の高いSC-βを作製することが可能になってきているが、生体内の内在性の膵臓β細胞とは遺伝子発現上では依然として異なっている。膵臓β細胞の機能制御の分子機構を理解することにより、ヒト膵島に近づくSC-膵島の作製が可能になると考える。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 5件、 招待講演 8件) 備考 (2件)
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