研究課題/領域番号 |
21H02978
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
粂 昭苑 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70347011)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 代謝 / 膵臓 / 幹細胞 / 分化誘導 / 膵臓内分泌細胞 / インスリン分泌 / 機能維持 / 糖感受性インスリン分泌 / 内分泌β細胞 / ヘテロ性 / ドパミン / 遺伝子発現 / 多能性幹細胞 / 内分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトES/iPS細胞由来膵β細胞の分化誘導系を活用し、膵β細胞の成熟化・高機能化・機能制御に関与する分子及びその作用機序、ドパミンシグナル制御ネットワーク、およびβ細胞の不均一性を作り出す分子機序の解明を目指す。そのため、次の項目について進める。(1) ヒトES/iPS細胞の遺伝子操作プラットフォームによる成熟化関連遺伝子の機能解析;(2) ゲノムワイド遺伝子連関解析(GWAS)により同定された2型糖尿病(T2DM)関連遺伝子についてヒトES/iPS細胞遺伝子操作プラットフォームを用いた解析とその制御因子の同定;(3)ドパミンシグナルによる膵β細胞の機能制御の分子機構解明。
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研究実績の概要 |
膵臓β細胞の容積と機能が適切に維持されると考えられるが、その機能制御の詳細な分子機構には不明な点が多い。本研究では、膵β細胞の分化成熟、機能制御にどのようなシグナル系が関わるか、β細胞の不均一性を作り出す分子機構を通じて、β細胞について統合的に理解することを目指す。そのため、膵臓β細胞の機能維持に関わる遺伝子について解析することにより、膵臓β細胞の統合的理解につながることを目指す。 本研究では、2型糖尿病のゲノムワイド解析で注目されているC2CD4遺伝子の機能解析を明らかにすることを目指している。そのため、C2CD4遺伝子と相互作用する分子について、たんぱく質近傍ラベリング法により検索した。その結果、複数の候補遺伝子を得た。MIN6β細胞株におけるC2CD4遺伝子ノックダウンおよび遺伝子強制発現の表現型解析を行ったところ、候補遺伝子との機能的な相関が期待される結果が得られている。 また、膵臓β細胞からのインスリン分泌に対して抑制的に働くドパミンシグナルを伝達するDrd1及びDrd2のヘテロノックアウトマウスを作成し、解析したところ、Drd2遺伝子ヘテロノックアウトマウスにおいて、耐糖能の亢進が見られた。Drd2遺伝子のノックアウトマウスの単離膵島においてインスリン分泌の亢進が見られたことから、次年度はβ細胞特異的な変異マウスの作成と解析を進める予定。Drd1遺伝子ヘテロノックアウトマウスは表現型は見られなかったが、β細胞特異的な遺伝子ノックアウトマウスを作成解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・C2cd遺伝子と相互作用する分子について、たんぱく質近傍ラベリング法により検索し、複数の候補遺伝子を得て、その解析を行った。候補遺伝子のうち、解糖系において機能する分子があったため、膵臓β細胞株を用いてC2CD4遺伝子の遺伝子ノックダウン株を作成し解析を行ったところ、C2CD4遺伝子ノックダウンβ細胞株において、細胞内ATP産生能の低下傾向がみられた。これらの結果より、C2CD4遺伝子が候補遺伝子との相互作用により解糖系の活性を制御することが考えられる。 ・Drd2ヘテロノックアウトマウスについて耐糖能試験を調べたところ、野生型マウスより優位に耐糖能が改善したことが分かった。また、Drd2ヘテロ欠損マウスにおいてインスリン分泌が有意に増加していること、単離膵島においても同様な結果が得られたため、Drd2によるインスリン分泌に対する抑制が外れたためであると結論した。Drd1については、ヘテロ欠損マウスにおいて野生型と比べて優位な差が見られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
・C2CD4遺伝子との相互作用を示す遺伝子の候補が得られたものに関して、実際相互作用しているエビデンスを得るために、Duolinkによる評価を行い、相互作用の実体をとらえる予定である。また、インスリン分泌の際にC2CD4が関与することも考えられるため、全反射顕微鏡によるインスリン分泌の動態解析を進める予定。 ・Drd2、Drd1について、β細胞特異的な遺伝子欠損マウスを作成して、表現型について詳細に解析する予定。
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