研究課題/領域番号 |
21H02981
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
池田 和博 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30343461)
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研究分担者 |
井上 聡 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40251251)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | がん / 性ホルモン / 代謝 / 遺伝子発現制御 / 患者由来がんモデル / エストロゲン / ミトコンドリア / 呼吸鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
乳がん、子宮体がんなどの女性のがんは性ホルモン応答性の特徴に加えて、がん特有の代謝変容等を有し、多様性に富んでいる。また、がん細胞周囲の間質細胞などからなるがん微小環境も腫瘍制御に関与しており、これら両者におけるメカニズムの解明ががんの本態解明に必要である。我々はエストロゲン応答遺伝子COX7RPがミトコンドリア呼吸鎖超複合体の形成促進因子であることを発見し、がん細胞の生存に有利な代謝変容とエネルギー産生の亢進をもたらすことを見出した。本研究では、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体というこれまでにない新しい視点からアプローチし、腫瘍病態メカニズムの解明と、治療・診断への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
乳がん、子宮体がんの多くはその発生・進展にエストロゲンが関与しているが、がん細胞において性ホルモン制御と代謝変容ならびにがん微小環境の関連について未解明の問題が多く残されている。本研究では、これら女性がんの患者由来モデルを活用して、エストロゲン応答シグナルとその標的因子の作用を明らかにし、ミトコンドリア代謝に関連する新たな治療標的となり得ることを示した。新規の非コードRNAを同定し、エストロゲン受容体を活性化するメカニズムを明らかにした。ミトコンドリア呼吸鎖超複合体を臨床に近い状態で評価・解析するため、生きた細胞内で可視化する手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性がんの患者由来モデルを活用し、エストロゲン応答シグナルとその標的因子、さらに新規の非コードRNAの役割を解明した。これにより、女性がんの発生・進展に関する分子基盤の理解が深まり、ミトコンドリア代謝に関連する新たな治療標的としての可能性を示した。また、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体を生きた細胞内で可視化する手法の開発は、がん細胞におけるエネルギー代謝の詳細な解析を可能にし、治療効果を向上させる新たな治療法の開発に貢献することが期待された。これらの知見は、治療抵抗性の克服や個別化医療への発展を介して、がん患者のQOL向上に寄与することが期待される。
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