研究課題/領域番号 |
21H02985
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
八木 真太郎 金沢大学, 医学系, 教授 (60447969)
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研究分担者 |
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 教授 (10252462)
伊藤 孝司 京都大学, 医学研究科, 講師 (10378656)
進藤 岳郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (10646706)
田中 里奈 京都大学, 医学研究科, 助教 (80847517)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | HLA / エピトープ / 抗ドナー抗体 / 臓器移植 / 造血幹細胞移植 / 抗体関連拒絶 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究 は、「臓器移植(肝、肺、腎、膵)、造血幹細胞移植において、X、Y の免疫原性を実証す るとともに HLA エピトープ解析に基づいた移植後免疫反応に関わる新規バイオマーカー開 発」を目的とした。具体的には後方視的にエピトープ解析と臨床情報から臓器横断的に 免疫原性の高いエピトープ候補を抽出し、前方視的に X、Y を含む1で抽出されたエピ トープの免疫原性をリンパ球混合試験と臨床転帰から実証すると共に、マスサイトメトリ ーを用いた次世代型解析により移植後免疫反応に関わる新規バイオマーカーを探索する。
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研究実績の概要 |
京都大学医学部附属病院が保有する臓器移植(肝、肺、腎臓)の大規模臨床データベースを用いて、ドナーとレシピエント間のHLA(Human Leukocyte Antigen)エピトープの適合度と移植後の抗ドナー特異的抗体(Donor Specific Antibody)の発生との相関性を後方視的に検証した。HLAエピトープ不適合の個数が多くともDSAを発生していない例があったり、不適合の個数が少なくてもDSAを発生している症例もあり、不適合の数によるDSA産生リスク予測の課題を確認した。引き続いて、機械学習を用いて個々のHLAエピトープに着目した解析を行い高精度のDSA産生予測アルゴリズムの開発を進めている。 また、移植後に産生されたDSAは必ずしも重篤な抗体関連拒絶や移植臓器不全につながるとは限らない。特に肝臓移植では、臨床所見や症状として現れないことも多い。そのため、移植臓器へのDSAが及ぼす影響、障害を明らかにするため、イメージングマスサイトメトリーを用いて移植後生検標本のin situ解析を行っている。通常の免疫染色で得られた所見をもとに、正常臓器における所見を参照しながらDSAを産生したグラフト臓器のHLA発現(HLA-A,B,C,DR,DQ)の分布やその発現強度、また拒絶様式(T細胞性拒絶や抗体関連拒絶)とT細胞やB細胞といったリンパ球サブセットの相関性について検討中である。またHLAエピトープの多くはin silicoで導出されたもので、そのタンパク質としての機能には不明な点が残っている。in vitroにおけるリンパ球混合試験でアロ反応における各エピトープの機能解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試薬や抗体入手が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はDSAや抗体関連拒絶の発症予測に向け本研究成果が他のコホートで再現されるか、前方視的・後方視的に検証する。また抗体関連拒絶の治療に向けHLAエピトープという構造多型を新規バイオマーカーとしたテーラーメイド型の移植後免疫抑制療法を開発する。
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