研究課題/領域番号 |
21H02987
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥山 宏臣 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30252670)
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研究分担者 |
出口 幸一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (00747082)
岩崎 駿 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40882254)
中山 泰秀 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50250262)
岩井 良輔 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 講師 (60611481)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 気管再生 / 大動物実験 / コラーゲン組織 / 組織工学 / 再生医療 / 生体内組織工学 / 細胞自己凝集化技術 / 軟骨培養 / 有茎移植 / 大動物 / 気管移植 / 軟骨再生 / 細胞外マトリックス / 気管狭窄症 / コラーゲンチューブ |
研究開始時の研究の概要 |
気管は未だ移植や再生技術は確立されていない。本研究では、我々がこれまでに開発した生体内組織工学で作成したコラーゲンチューブと独自の培養技術により作成した軟骨輪を組み合わせたhybrid-biotubeのスケールアップを行い、ビーグル犬の筋・大網内で数週間培養して粘膜・軟骨組織の再生と血管新生を評価する。次に血管茎をつけた筋・大網とともにhybrid-biotubeを同所性気管移植を行い、気管グラフトの長期開存性を評価する。本研究により大動物での気管再生技術が確立できれば、臨床応用へむけた大きなステップとなる。
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研究実績の概要 |
われわれは、難治性小児気管・気管支先天異常に対する再生治療として、自己由来組織を用いた生体適合性の高い再生気管の開発を目指している。これまでに小動物(齧歯類)モデルを用いて、①生体内組織工学技術で作成したコラーゲン筒状組織と②独自培養技術により作成したscaffold-free軟骨輪の二つを生体内で組み合わせた新規代用気管構造物(通称:hybrid-biotube)を開発し、代用気管組織で使用可能であることを報告してきた。本研究課題においては、よりヒト小児に近い気管サイズを有する動物モデルを用いて、hybrid-biotubeの作成・移植可能性についてコンセプト実証実験を行うことが目的である。 モデル動物としてNew Zealand rabbitを継続して使用している。昨年度に気管用hybri-biotubeの専用鋳型を製作した。この鋳型をRabbit皮下に埋入し、コラーゲン筒状組織の作成を試み、手術プロトコールを確立した。 細胞自己凝集化技術(cell-self aggregation technology: CAT)によるscaffold-free 軟骨輪 の作成プロトコールの確立について、Rabbit軟骨を用いて初めて十分な強度を持つscaffold-free 軟骨輪が作成し得た。具体的に、autologousにてRabbit肋軟骨より軟骨検体を採取し、硝子軟骨細胞を培養した。採取した軟骨細胞は培養にて良好な増殖能を示した。続いて軟骨細胞を分化し、Rabbit気管形成に必要な気管サイズ(内径6mm、外径8mm)のリング状に軟骨細胞を自己凝集化した。3週間の培養プロトコールにて上述のサイズを満たすscaffold-free軟骨輪の作成が可能となった。作成された軟骨輪は強度を有し、移植片として機能することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に気管用hybri-biotubeの専用鋳型を製作した。この鋳型をRabbit皮下に埋入し、コラーゲン筒状組織の作成を試みる実験を3回行った。うち一度は鋳型と皮下組織の圧着が十分でなくコラーゲン組織形成が乏しい結果となるトラブルを経験した。そのため組織と鋳型の圧着を確実にするよう手術プロトコールを修正した。 Rabbitにおいて細胞自己凝集化技術(cell-self aggregation technology: CAT)によるscaffold-free 軟骨輪 の作成プロトコールを初めて確立し得た。Rabbitにおいてもこれまで齧歯類モデルで確立した培養法、軟骨細胞分化法、軟骨細胞自己凝集化法を応用できることが確認できた。さらに、作成されたscaffold-free 軟骨輪は代用気管として必要な強度を有しており、リングの厚みの調整も必要に応じて可能であることを確認した。 本年度は口腔粘膜上皮と代用気管構造物の組み合わせを試みることはできなかった。次年度では、これらの組み合わせを試みる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1. 複数の軟骨輪を専用器材に組み込んで、New Zealand rabbit背部皮下に4週間埋め込みhybrid-biotubeを作成する 。2. Hybrid-biotubeの組織評価を行う。3. 作成されたHybrid-biotubeを頚部筋肉内に移植し、同所移植前血管形成を行う。組織を評価しながら、血管形成の期間を最適化する。4. 血管茎つきhybrid-biotubeの内腔に口腔粘膜上皮を貼付した上で、気管同所性移植を行う。5. 以上の結果を統合して、臨床応用に向けた手術手技やグラフト作成の条件を確立する。
また、軟骨への栄養供給を検討した結果、栄養供給の乏しい皮下組織への埋入期間を短縮することも有用である可能性が示唆された。そのため、組織形成を頚部筋肉内で行う下記プランを別プランとして並行して検討することとした。 1. 複数の軟骨輪を専用器材に組み込んで、New Zealand rabbit頚部筋肉内に4週間埋め込み、hybrid-biotube作成と同所移植前血管形成を同時に行う。2. Hybrid-biotubeの組織評価を行い、血管形成程度、軟骨輪内細胞生存の程度、形成組織の強度、移植片としての使用可能性を検討する。その結果から、器材埋入期間を最適化する。3. 血管茎つきhybrid-biotubeの内腔に口腔粘膜上皮を貼付した上で、気管同所性移植を行う。4. 以上の結果を統合して、臨床応用に向けた手術手技やグラフト作成の条件を確立する。
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