研究課題/領域番号 |
21H03008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
八代 正和 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60305638)
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研究分担者 |
山本 百合恵 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員 (30909924)
福岡 達成 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50793783)
杉本 敦史 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 学外研究員 (80897356)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | スキルス胃癌 / ヒト化抗CXCL1中和抗体 / 分子標的治療 / CXCL1 / 癌関連線維芽細胞 / 抗体療法 / 骨髄間葉系幹細胞 / CXCL1/CXCR2シグナル阻害剤 / 癌関連線維芽細胞(CAF) |
研究開始時の研究の概要 |
我々はスキルス胃癌細胞の産生するCXCL1が間葉系幹細胞のCXCR2に作用してCAF増生を招来するメカニズムを世界に先駆けて明らかにした。この成果に基づき、スキルス胃癌細胞産生のCXCL1を阻害してCAF増生を抑制するスキルス胃癌抗体薬の開発を目的として、本研究「ヒト化CXCL1抗体の癌関連線維芽細胞(CAF)抑制作用によるスキルス胃癌治療」を着想した。抗ヒトCXCL1モノクローナル抗体を取得し、その中からさらに強いCXCL1中和活性を有するクローンからリード候補抗体を選出し、ヒトスキルス胃癌マウスを用いた薬効評価を行う。
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研究実績の概要 |
先行研究により、胃癌の癌間質の癌関連線維芽細胞(CAF)は、骨髄由来細胞が起源である可能性が示唆された。CAFは、胃癌の中でも豊富な間質を有するスキルス胃癌の治療標的と考えられる。 スキルス胃癌細胞の産生するケモカインCXCL1が骨髄間葉系細胞のCXCR2を介して、骨髄間葉系細胞を活性化させることが明らかとなったことからCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤を作成し、抑制効果を検討した。まず、CXCL1に中和活性を有する抗体を3クローン作成し、その中で活性の強いCXCL1抗体クローン(5A-5E11)を取得した。この阻害剤(CXCL1/CXCR2シグナル阻害剤)を用いて、ヌードマウス胃壁にOCUM2MLN細胞を同所移植したスキルス胃癌モデルを確立し薬効評価を行ったところ、CXCL1/CXCR2シグナル阻害剤は、マウス胃腫瘍サイズを抑制し、また骨髄間葉系細胞の浸潤を強く抑制することでスキルス胃癌のCAF増生を抑制していることを確認した。CXCL1/CXCR2シグナル阻害剤は、スキルス胃癌の増殖・浸潤能に関与するCAFを抑制することで、スキルス胃癌の有望な治療となると期待された。 今回第一目標として予定していたCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤作成として、CXCL1に中和活性を有する抗体を3クローン作成し、その中で活性の強いCXCL1抗体クローン(5A-5E11)を確認することが出来た。またそのCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤が、マウスのスキルス胃癌を抑制することを確認したため、今後のスキルス胃癌治療薬開発に有望な結果が得られている。今後マウスの生存率や転移抑制効果、抗癌剤との併用効果を検討する予定である。また、臨床検体を用いてCXCL1分子標的発現の臨床的意義の評価とバイオマーカーとしての意義も検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一目標として予定していたCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤作成として、CXCL1に中和活性を有する抗体を3クローン作成し、その中で活性の強いCXCL1抗体クローン(5A-5E11)を確認することが出来た。またそのCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤が、マウスのスキルス胃癌を抑制することを確認したため、今後のスキルス胃癌治療薬開発に有望な結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
作成されたCXCL1/CXCR2シグナル阻害剤は、スキルス胃癌の増殖・浸潤能に関与するCAFを抑制することで、スキルス胃癌の有望な治療となると期待された。今後マウスの生存率や転移抑制効果、抗癌剤との併用効果を検討する予定である。また、臨床検体を用いてCXCL1分子標的発現の臨床的意義の評価とバイオマーカーとしての意義も検討する予定である。
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