研究課題/領域番号 |
21H03017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
福嶌 五月 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (80596867)
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研究分担者 |
藤田 知之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (10457012)
池田 善彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (30393242)
大谷 健太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50470191)
生田 亜由美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤医師 (50818424)
南 公人 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (90509811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 劇症型心筋炎 / COVID19 / 機械的補助循環 / 羊膜由来間葉系幹細胞 / 心筋炎 / 細胞移植 / 人工心臓 / 羊膜間葉系幹細胞 / 心臓再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
急性心筋炎は稀な疾患ではあるものの若年者にも発生する致死的疾患であり、その成因や治療など解明されていない課題が多い。本研究では、「急性心筋炎において心筋内に局在する免疫細胞・炎症細胞のスペクトラムと心筋組織障害との関連を解明し、羊膜由来間葉幹細胞移植による抗炎症型再生治療の可能性を探索する。」ことを目的として、1)国立循環器研究センターで治療を受けた患者の臨床検体を用いた臨床的病理学的検討、2)急性心筋炎ラットモデルを用いた、ヒト羊膜間葉系幹細胞移植による治療効果の検討、を行うこととで、ヒト羊膜間葉系幹細胞移植方法の最適化から、本治療のレスポンダーの探索まで行う。
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研究成果の概要 |
急性心筋炎において心筋の炎症反応と組織障害との関連を解明し、羊膜間葉系幹細胞(aMSC)移植による抗炎症型再生治療の可能性を探索することを目的とした。当院にて機械的補助循環治療を行った70例を検討し、その予後は炎症の程度により決定することが明らかとなった。また機械的補助循環治療を行ったCOVID19関連心筋傷害による重症心不全4例を検討し、病理学的には免疫反応を含めた急性炎症反応は関連が少ないことを示した。また、ヒトaMSCを急性心筋炎ラットモデルに移植することで、急性炎症の消退と心機能の回復をもたらすことが示された。急性炎症の程度を減弱させることが劇症型心筋炎の予後を改善させると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
劇症型心筋炎は、年齢を問わず発症する予後が極めて不良な急性疾患である。機械的補助循環により心機能の回復を待つ、心機能が回復しない場合には植込み型人工心臓治療を行うのが標準的治療であった。今回の研究では、劇症型心筋炎における心筋の炎症像が心機能の回復と予後に大きく関係することが臨床検体を用いて解明され、またヒトaMSCという臨床応用可能な治療製品を用いて積極的に炎症反応を抑制させる治療の効果が明らかになった。また、大きな社会的問題となったCOVID19関連心筋傷害のメカニズムや治療法を示唆した。以上、劇症型心筋炎やCOVID関連心筋傷害の治療成績を向上させることに貢献できるものと考えられる。
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