研究課題/領域番号 |
21H03031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
細川 康二 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (70568188)
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研究分担者 |
相澤 秀紀 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80391837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 敗血症性脳症 / 脳波 / ミトコンドリア / ミクログリア / TSPO / せん妄 / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌などによる感染症の重症化した状態を敗血症と言います。そうした場合一過性の脳機能障害であるせん妄がよく起きますが、その原因の一つが神経炎症と考えて研究しています。脳内の炎症に深く関わるミクログリアが活性化について、研究分担者とともに調べていて、特に、細胞内のミトコンドリア機能が異常となること、これをどの薬物的介入が実用性と有用性が高いかを知る小動物を用いた研究に取り組んでいます。また、臨床現場では、せん妄が脳波異常を起こすことが知られています。集中治療室でせん妄となる前の脳波を記録して、敗血症の早期に脳波異常が起きないか調べます。AI(人工知能)が将来の異常予測に使えそうです。
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研究成果の概要 |
敗血症に関連する脳機能障害と脳内ミクログリアの活性化との関与を、われわれの基礎研究ではTSPOに着目し、KOマウスを利用するなどして解析した。結果、LPS投与モデルでは、TSPOの抑制は神経機能の回復を増やし活性化ミクログリアの減少につながった。一方で、回腸穿孔モデルのやや長期のモデルでは、TSPOを遺伝子欠損させた動物で、敗血症からの不安、運動機能の回復が遅かった。 また、臨床での脳波の異常が早期の脳機能障害の発見に有用と仮定して、集中治療室での脳波解析をMatLab上で解析し、夜間の脳波パワースペクトラム密度に特徴的な変化を見つけた。さらに誘発電位による脳波を行う予備実験も継続中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症に関連する脳機能障害には、脳内ミクログリアの活性化が関与する。ミトコンドリアのTSPOの役割に着目して、ミクログリアの活性化の制御が敗血症時の脳機能悪化に関与するとわかれば、TSPOを活用した早期画像診断、TSPOに介入する新規薬剤の試験が前進する。 臨床で、敗血症に関わる脳障害を軽症のうちから早期に脳波を用いて発見できれば、上記の新規薬剤のより効果的な治療につながる可能性がある。夜間の自発脳波の解析結果とその後のせん妄発生の関係を統計学的に調査中であり、これに誘発電位の結果を加味すれば、早期の診断が確実性を増し、実用に近づくと考えている。
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