研究課題/領域番号 |
21H03039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齋藤 竜太 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10400243)
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研究分担者 |
大橋 雄二 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任准教授 (50396462)
金森 政之 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60420022)
冨永 悌二 東北大学, 大学病院, 教授 (00217548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 薬剤送達 / 中枢神経系 / 超音波 / 定位脳手術 / 脳内局所広範囲薬剤送達 / 脳腫瘍 / Drug Delivery System |
研究開始時の研究の概要 |
これまで脳実質内局所広範囲に高濃度薬剤送達を可能とする新規薬物送達法Convectionenhanced delivery(CED)を用いた中枢神経系疾患の新規治療法の開発を進め、2018年より小児脳幹部神経膠腫を対象とした化学療法剤局所投与の医師主導治験を開始した。さらに超音波併用薬剤投与技術を確立し、CEDを超える広範囲薬剤投与を可能とした。本技術は、脳内薬剤注入局所での超音波併用を可能とする点で独自の技術であり、複雑な組織構築へも均一な薬剤分布を可能とする可能性がある。特に現在、治療開発を進めている脳腫瘍モデルへの治療効果解析を進め、臨床応用に向けた基盤を構築し、臨床応用へ繋げたい。
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研究成果の概要 |
超音波併用効果の検証:圧電応用デバイスによる超音波を用いた薬剤拡散効果確認実験を実施した。デバイス(PZTの最適周波数にて駆動)の有無による脳を模したゲルにおけるエバンスブルー色素の浸透幅の比較を実施し、デバイス使用時(超音波を併用)に未使用時より色素の浸透が増大する事を確認した。 臨床応用に向けた基盤整備:実臨床使用に向けた周辺機器整備として、超音波併用デバイスを装着固定する方法に関してデバイスと把持棒を含めた長さが定位手術装置での精密誘導上の問題となる可能性などが判明し、改善策が必要となった。固定治具を作成し、臨床応用への機器開発のステップは完了した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CEDによる薬剤局所投与は、欧米でもまだ承認された治療法とはなっていない。薬剤分布の制限がその理由とされる。脳表からの超音波で薬剤拡散を改善する試みは米国でもなされているものの、東北大学医工学研究科、東北大学金属材料研究所との共同で作成した我々の超音波併用薬剤投与システムは薬剤注入部位に超音波を併用する点で独自かつ創造的なものである。本研究で注入局所に超音波が併用できる利点をしっかり示し、臨床応用につなげることは、様々な分子生物学的進歩を中枢神経疾患に応用する、つまりin vitroをそのまま脳内in vivoに再現する可能性を与える創造的な研究であり、新たな治療可能性をもたらすものである。
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