研究課題/領域番号 |
21H03040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 膠芽腫 / 神経膠芽腫 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫の再発を防ぎ長期予後改善を目指す上で、腫瘍中のがん幹細胞を標的とする治療法の開発は重要なカギを握る。本課題では膠芽腫幹細胞に対して分化誘導効果が期待できるJNK阻害薬と細胞殺傷効果が期待できるOXPHOS阻害薬のそれぞれについて既存薬のスクリーニングを行うことにより、これまでに我々が独自に見出している薬剤よりもさらに高いレベルで効果と安全性の両立を期待できる薬剤の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本課題では前課題までの成果に基づき、1)グリオーマ幹細胞特異的脆弱性に着目した選択的殺傷薬の開発・差分的発現分子の同定、2)幹細胞性抑制・分化誘導薬開発に資するJNK経路阻害法の探索、3)殺傷薬と分化誘導薬の併用効果の検証、をキーワードに検討を行なった。その結果グリオーマ幹細胞では葉酸代謝関連タンパクが高発現し葉酸代謝拮抗薬メトトレキサートが選択的幹細胞殺傷薬となること、さらには分化誘導薬との併用が有用であることを明らかにした。加えて、グリオーマ幹細胞で高発現するホスホリパーゼCεがJNKを介して幹細胞性の維持に寄与しておりグリオーマ幹細胞選択的JNK経路阻害の優れた標的となる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん(悪性新生物)は長年にわたり我が国の死亡原因圧倒的第1位を維持しており、がんの克服は国家的にも重要な課題である。本課題はがんの再発・転移の主要因と考えられているがん幹細胞に着目し、そのがん幹細胞に作用することで再発・転移を防ぎがん根治が期待できるがん幹細胞治療薬開発を目指そうとする課題である。本課題では特に前課題(18H02908)をキッカケとして着目するようになった、悪性脳腫瘍のがん幹細胞が持つ「アキレス腱」に関する研究をさらに展開した。その結果悪性脳腫瘍の新たな治療標的・治療戦略を見出すことに成功し、本課題の成果は悪性脳腫瘍の治療成績の改善に大きく貢献することが期待される。
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