研究課題/領域番号 |
21H03055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 朗仁 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50244083)
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研究分担者 |
高橋 伸典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20570196)
加納 史也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40801626)
橋本 登 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (90712365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 変形性関節症 / 滑膜マクロファージ / 幹細胞培養上清 / シアル酸認識レクチン / 関節再生 / レクチン / M2マクロファージ / 軟骨細胞 / Siglec9 / 破骨細胞 / 関節炎 / 分泌型シアル酸認識レクチン / 滑膜線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、関節リウマチ (RA) や変形性関節症 (OA) モデルマウスに間葉系幹細胞を静脈内投与し、損傷した関節軟骨や骨の再生を促す研究が注目されている。これまでの研究で、再生効果の多くは幹細胞が産生する液性因子によることが明らかとなってきた。 研究代表者は間葉系幹細胞であるヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清(CM)の多面的な組織再生効果を明らかにしてきた。さらに歯髄幹細胞CMのセクレトーム解析によって新規再生因子である分泌型シアル酸認識レクチンsSiglec-9を同定した。本研究では関節軟骨および骨の治癒・再生過程における、sSiglec-9の標的細胞や作用機序の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
マウスRAおよびOAモデル発症後にSHED-CMやsSiglec-9を静脈内投与すると、抗炎症性滑膜M2マクロファージ(M2MΦ)を誘導し、関節再生を促進した。M2MΦの細胞培養上清(M2-CM)をマウス関節炎モデルに静脈内投与すると、損傷関節が再生した。M2-CMの網羅的プロテオーム解析により、関節再生因子としてWntシグナルの抑制因子であるsFRP-1を同定した。sFRP-1は損傷軟骨の破壊環境を再生環境に変換することで、関節再生を促進した。本研究は、シアル酸認識レクチンを介した関節再生メカニズムを明らかにしただけでなく、末梢血マクロファージを用いた新たな関節再生療法の可能性も示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節再生メカニズムは多くが不明である。本研究は、SHED-CMやsSiglec-9による関節再生メカニズムの解析を通して、抗炎症性滑膜M2マクロファージの誘導が関節再生に大きく寄与することを明らかにした。さらにM2の中核的治療効果因子としてWntシグナルの抑制因子sFRP-1を同定した。かつてよりM2MΦによる関節治療は注目されてきたが、M2がいかにして関節再生を促すかは不明であった。本研究は正解に先駆け、M2由来関節再生因子を同定し発表した。本研究の学術的意義は極めて高い。関節再生医薬品は開発されていないが、今後本研究成果をもとに新規医薬品の開発が期待される。本研究の社会的意義は極めて高い。
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