研究課題/領域番号 |
21H03057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮本 健史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70383768)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 整形外科 / 骨粗鬆症 / 骨恒常性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症及び脆弱性骨折患者数は、今日の超高齢社会に到来を受けて増加の一途を辿っており、医療経済的な面からもその対策は喫緊の課題となっています。骨粗鬆症は単に骨のみの疾患ではなく、全身的なカルシウム・リン代謝の恒常性制御機構の破綻により発症することから、その制御系の理解は疾患発症メカニズムの理解に必須です。本研究では、骨粗鬆症をカルシウム・リン代謝の恒常性制御機構の破綻した疾患として、そのメカニズムの解明を目指します。
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研究成果の概要 |
我々は異所性のカルシウム沈着が骨密度の低下をきたす原因になることを明らかにした。我々は1回膜貫通型分子であるectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase 1 (Enpp1)が骨へのカルシウム沈着に必須の役割を担うこと、その機能不全によっては異所性のカルシウム沈着をきたし、骨量は減少することを、Enpp1欠損マウス(Enpp1 KO)を用いて見出した。さらに、Enpp1は主に関節軟骨細胞に発現し、関節軟骨から全身的な老化や異所性石灰化を制御することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症の患者数ならびに脆弱性骨折の発生数は増大の一途を辿っている。すでに多くの骨粗鬆症治療薬が開発・上市されているにも関わらず、このような傾向が持続している事実から、新たな骨粗鬆症の発症機序の解明に基づく治療法の開発が必要と考えられた。今回、Enpp1欠損マウスを用いた解析により、異所性の石灰沈着が骨密度低下の直接の原因となり得ること、全身的な老化を含めた骨密度制御が、関節軟骨に発現するEnpp1によって担われているという新しい概念を見出した点で学術的意義がある。また、今後の新たな骨粗鬆症治療薬を開発するための機序を解明した点で、社会的にも意義があると考えている。
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