研究課題/領域番号 |
21H03080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田中 守 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20207145)
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研究分担者 |
落合 大吾 北里大学, 医学部, 教授 (80348713)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヒト羊水幹細胞 / 早産 / 胎児治療 / 細胞外小胞 / マクロファージ / 羊水 / 間葉系幹細胞 / 脳性麻痺 / 炎症 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、ヒト羊水幹細胞(human amniotic fluid stem cell: hAFSC)の新生児期投与は,複数の周産期難治性神経疾患モデル動物(周産期脳障害,脊髄髄膜瘤)において治療効果を示すこと,早産モデル動物の母体への投与は早産を予防することを見出してきた。 本研究では「胎児期からはじめる, 自己羊水由来幹細胞を用いた多面的な脳性麻痺予防法の開発」を目的とし,世界初のhAFSCの臨床応用に向けて、残された基礎的課題を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、hAFSCの炎症抑制効果と早産予防の有効性を検証した。LPS誘発性早産モデルでは、hAFSCの投与により早産率が有意に減少し、炎症性サイトカインも低下した。投与されたhAFSCは腹腔内でマクロファージと凝集体を形成し、マクロファージの極性が抗炎症型に変化した。さらに、pPROM患者から得られた羊水からもhAFSCを樹立し、コンタミネーションがないこと、通常のhAFSCと同様の性質を持つことを確認した。scRNA-seqを用いた細胞集団の単離試みでは、新たな単離法の開発には至らなかったが、hAFSCの細胞外小胞が抗炎症作用の中核を担っている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト羊水幹細胞は、羊水中から採取される間葉系幹細胞の一種であり、高い抗炎症作用を有していることが知られている。本研究は、ヒト羊水幹細胞が早産を予防する効果を初めて明らかにし、炎症性マクロファージを抗炎症性に変えることを示した。加えて、ヒト羊水幹細胞から単離された細胞外小胞にも抗炎症作用があることが明らかになった。これにより、hAFSCを用いた新しい周産期医療の可能性が示され、将来的には早産予防と関連する新生児の健康改善に寄与することが期待される。
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