研究課題/領域番号 |
21H03098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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研究分担者 |
武智 正樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10455355)
足立 礼孝 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10631533)
塗 隆志 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40445995)
永井 重徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50348801)
上田 晃一 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90257858)
由井 伸彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)
有坂 慶紀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70590115)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | マウス頭蓋冠 / 膜性骨 / 骨修復 / FGF18 / BMP2 / M2マクロファージ / 骨髄間質細胞 / 頭蓋冠 / 骨欠損 / ナノゲル / 頭蓋冠幹細胞 / マクロファージ / メカノシグナル / 頭蓋冠骨 / ポリロタキサン |
研究開始時の研究の概要 |
頭蓋冠骨欠損の修復は困難で、人工骨やバイオマテリアルによる骨修復(骨形成)の促進が試みられている。一方、症候群性の頭蓋縫合早期癒合症では、手術による癒合部の分離後の再癒合が高頻度で起き、骨修復を抑制する方策が望まれる。骨修復において、縫合部に存在する頭蓋冠幹細胞の修復部位への動員、炎症から組織修復過程への転化段階での組織修復型マクロファージの出現などが予想されるが、これら細胞群の骨修復過程における動態については未だ不明な点が多い。本研究計画においては、マウス頭蓋冠骨修復過程におけるこれらの細胞動態を明らかにし、生体材料によってこの動態を制御した理想的な骨修復の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
マウス頭蓋冠骨欠損修復モデルでは、FGF18のBMP2への添加が、BMP2の骨修復効果を促進させる。BMP2/FGF18投与群では、修復開始時期において組織修復性のM2マクロファージの浸潤を示唆する遺伝子発現が認められ、マクロファージのin vivoでの除去は、FGF18の促進効果を解除した。骨髄細胞を分離してFGF18を作用させるとM2マクロファージの極性化は促進され、FGF18が骨髄間質細胞にCCL2を中心としたマクロファージ誘導因子の発現を上昇させることで誘導された。CCL2の受容体であるCcr2遺伝子を欠失するマウスでは、BMP2/FGF18による骨欠損修復の促進は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭蓋骨の欠損は修復が難しく再生医療の重要なターゲットとなっている。また、一方で、頭蓋縫合早期癒合症などの先天性疾患では、癒合した縫合部では過剰な骨形成が見られる。頭蓋は脳を収容し保護しているために、頭蓋骨に関わる疾患は、重度の神経症状を招くことが多く、これらの予防や治療は率先して取り組むべき課題の一つである。その中で、本研究申請では、頭蓋骨修復に関わる因子の一つであるFGF18の分子細胞学的なメカニズムを明らかにでき、これらの知見は、今後再生医療の現場において応用可能であり、医療を通した社会的貢献を達成できたものと考えられる。
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