研究課題/領域番号 |
21H03117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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研究分担者 |
大倉 直人 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00547573)
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (20432924)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
朝日 陽子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50456943)
枝並 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80804567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 歯髄復元 / 動物モデル / SCAP / マイクロCT / EMAT / 再生歯内療法 / 動物実験モデル / S1P / 血流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①成熟永久歯の歯髄血管復元療法をオリジナルのラットモデルで検索し、基礎的・生物学的な科学的根拠を確立する。そして、臨床研究により、②歯髄血管復元療法に影響する宿主・パラサイト因子を検索し、臨床導入をめざす。本課題は、日本で年間500万件以上実施されているにも拘らず、根尖病変発症率が50%以上である現行の根管治療を補完し、歯を不死化する再生療法の確立をゴールとしている。
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研究実績の概要 |
令和3年度に引き続いて以下の実験を実施した。歯根形成中期、後期、完成期に該当する5、8および11週齢のWistar系ラットの下顎左側第一臼歯に対して、Edanami et al.JDR, 2020に従って再生歯内療法(regenerative endodontic procedure: REP)処置を施した。近心根の根尖孔から0.8mm上部までの歯髄を除去後、根管内を血餅で満たし、MTAを塗布し、フロアブルコンポジットレジンで充填した。28日後に下顎骨を摘出し、4週間脱灰後、パラフィン切片を作成し、H-E染色、Dentin sialoprotein、Nestinおよび Periostinの免疫組織学的解析による根管内の治癒形態およびDAMT量の評価、MSCマーカーであるalpha-smooth muscle actin(α-SMA)、CD73、CD90およびCD146を免疫組織学的に解析し、MSCの局在解析、さらにCD68とCD206とを免疫蛍光二重染色してM2Mφを局在解析した。 未処置の根管内歯髄および根尖部では、α-SMAおよびCD73は歯根の発達とともに根尖部での陽性反応が著明に減少したが、CD90およびCD146では変化はなかった。REP処置28日後では、週齢の増加に伴いDAMT・歯髄様組織の治癒形態を示す頻度が減少し、DAMT形成量の減少を認めた。α-SMAの免疫組織学的解析では、週齢の増加に伴い根尖部の陽性領域が減少する一方で、根管内の新生軟組織においてMSCの細胞形態を有するα-SMA陽性細胞が増加した。また、根尖部および根管内新生軟組織においてMSCの細胞形態を有するCD73、CD90およびCD146の陽性細胞が著明に増加した。さらに、週齢の増加に伴いCD68とCD206の二重陽性細胞が根尖部および根管内新生軟組織でも著明に増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年やや遅れ気味であったが、新規に令和4年度より大学院生が研究協力者として参画したことで、一気に研究のスピードが加速した。また、分担者松崎も着々とin vitro 実験を行い、データが上積みされたため、実験の遅れが一気に解消されたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
幼弱永久歯である5週齢から歯根が完成する10週齢の雄性ウイスター系ラット(各週齢n = 5)の下顎右側第一臼歯を露髄して根尖病変を惹起後、壊死歯髄を除去、洗浄、感染制御し、根尖から1mm程度突出して、出血を誘発し根管に血流を誘導する根管治療を行う。実験スケジュールに従い、以下の①~③項目について検索し、根尖病変のサイズや周囲組織/細胞等やその遺伝子発現の関係を評価し、ラット歯髄復元療法モデルを完成する。 ①マイクロCTによる根尖病変部の体積と歯根尖の完成度の経時的変化(野杁、枝並).根管治療(以下根治)後 0,1,2,3,4,6,8週にマイクロ CTと三次元画像解析ソフト(現有設備)により、 既存の方法に準じて処理・解析する。近心根の病変体積や根尖孔のサイズを各々に算出し、経時的な病変体積の変化と根尖孔サイズの関係を検索する。 ②歯髄と根尖部の免疫組織学的・マイクロダイゼクション(MD)的検索(竹中).根治後2, 3週の各時点で既存の方法に準じて処理する。連続薄切切片の一部はH-E染色るいはBrown-Hopps染色を施し組織学的に、他の一部は、TGF-β, FGFやMsx, Dlx等の特異抗体やプライマーにより免疫組織科学的あるいはMD的 (又はリアルタイムPCR法との複合) 手法にて定性検索する。 ③根尖部SCAPと関連遺伝子等の定量解析と再性能のin vivo, in vitro実験(大倉、松崎). 根治後0,4,8週に、採取する根尖組織を凍結し(枝並)、冷凍状態で輸送し(新潟大→福岡歯科大)、最終的には濾過しSCAPを単細胞に分離培養後、定量評価する(以降松崎)。その関連遺伝子はリアルタイムPCR解析する。当初はラット根尖より単離したSCAPと、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)を併用し、分化や代謝への影響等の再性能をin vitroで評価する。輸送事故対策あり。
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