研究課題/領域番号 |
21H03118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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研究分担者 |
北村 正博 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (10243247)
村上 伸也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70239490)
岩山 智明 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80757865)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 歯周組織再生 / 脂肪組織由来多系統前駆細胞 / efferocytosis / LAP |
研究開始時の研究の概要 |
研究では、歯周組織に移植した脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC)がアポトーシスする過程においてefferocytosisの実行細胞を同定し、efferocytosis実行後の細胞機能変化が歯周組織の再生に及ぼす影響、さらに同変化におけるLAPの役割についてin vitro、in vivoの両面から明らかにする。さらに、efferocytosisあるいはLAPの活性化がADMPC移植による歯周組織再生効果の増強につながることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、アポトーシス細胞貪食機能であるefferocytosisとLAPという組織恒常性維持機構を「能動的再生誘導因子」として捉えることで、脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC)移植による組織再生過程の分子メカニズムを組織リモデリングの観点から解明することを目的として研究を遂行している。 令和4年度は、令和3年度に確立したラット歯周組織欠損に対する同種ADMPC移植モデルを用いた組織学的解析から歯周組織局所において移植ADMPCをefferocytosisする細胞の同定を試みた。結果、ADMPC周囲にマクロファージの集積が観察されたものの、実行細胞同定には研究手法に限界があることが明らかとなった。そこで計画の一部を変更し、令和3年度に実施した結果から、歯周組織に移植した同種ADMPCは移植後2週間程度でアポトーシスすることが示唆されたため、移植細胞のアポトーシスが組織再生に及ぼす影響を検討するためにアポトーシス抵抗性ADMPCを作製した。すなわち、アポトーシス抵抗性分子であるBcl-2を、レンチウイルスを用いてGFPラット由来ADMPCに遺伝子導入後、薬剤耐性によるセレクションによりstable発現細胞を作製した。その後、Bcl-2の発現量を確認後、caspase発現を指標として機能をin vitroにて検証した。 一方で、ラット骨髄からマクロファージを誘導し、アポトーシスを誘導したADMPCと共培養することによりin vitroにおけるefferocytosisをタイムラプス解析した。結果、共培養24時間後から48時間後に活発なefferocytosisが観察された。さらにADMPCをefferocytosisしたマクロファージの細胞特性を解析するために、共培養後の表面抗原の発現変化をFACSにて明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に実施を予定した計画実験は概ね遂行したものの、研究手法の限界から一部変更を余儀なくされた。しかしながら、研究の目的を達成するために必要となる結果は蓄積されつつあり、おおむね順調に進展している。また、令和5年の研究開始に向け準備は整い全く支障はない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度、4年度に得られた研究成果を基に、研究目標を達するためにさらに研究を発展させる。すなわち、令和4年度に作製したBCL-2強発現GFPラット由来ADMPCをラット歯周組織に同種移植し、ライトシート顕微鏡を用いてより長期に移植ADMPCが歯周組織局所にて生存することを確認するとともに、移植1か月および2か月で令和4年度に確立した定量的解析方法を用いて歯周組織再生に関する有効性を評価する。一方で、移植部位から経時的に組織を採取し、コラゲナーゼにて消化後に細胞懸濁液を作製し、組織再生部位に含まれるGFP陽性細胞あるいは陰性細胞の特性をFACSにて解析する。また免疫染色およびin situ hybridization法による組織学解析により、移植ADMPCのアポトーシス制御が組織再生過程に及ぼす影響の詳細を解析する。また、LAPについてはRubiconの抑制歯根膜細胞あるいは共発現細胞を作製し、細胞機能評価を実施する。
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