研究課題/領域番号 |
21H03134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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研究分担者 |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00611287)
木村 友美 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (00637077)
野代 知孝 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00829781)
坂本 龍太 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (10510597)
宗政 翔 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40852489)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
角田 聡子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70364156)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
岩崎 正則 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (80584614)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | オーラルフレイル / ベイジアンネットワーク / 口腔機能低下症 / サルコペニア / リスク分析 / フィールド医学 / 口腔機能 / 歯周組織 / 歯根表面積 / 咬合力 / 咀嚼能力 |
研究開始時の研究の概要 |
いわゆる「口の虚弱(オーラルフレイル)」と言われる口の衰え、機能低下が全身のフレイルと要介護につながる悪循環の「入り口」となり、健康寿命を縮めることが明らかになっている。しかし、このオーラルフレイル発症のリスク要因については、これまでエビデンスとなり得る詳細な検討がなされていなかった。本研究課題は、フィールド医学研究により、口腔機能検査等を導入して過去の医学検診のデータセット及び前向きのデータ解析によるベイジアンネットワークを用いてオーラルフレイル発症予測モデルを構築し、発症そのものを予防する戦略的予防介入のストラテジーを確立することにある。
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研究実績の概要 |
歯の支持に関連する指標として,歯根膜を介して歯槽骨と結合している歯根表面積の個人ごとの和(以下 RSA-PL)を算出し,RSA-PLがオーラルフレイルの評価における咀嚼能力・咬合力と関連するか検討した. 土佐町フィールド医学研究に参加した地域在住高齢者250名(平均年齢82.5歳,男性98名,女性152名)を本研究の対象とした.咀嚼能力評価には咀嚼チェックガムを用い測色計を用いてa*値を指標として評価した,咬合力は,デンタルプレスケールIIおよびバイトフォースアナライザを用いて計測した.また,全顎6点法でのPPD,CALを測定し,各歯の付着の喪失の総面積(以下ALSA)を算出した.先行研究で報告されている各歯の歯根表面積(RSA)からALSAを減ずることで,RSA-PLを算出した. a*値と咬合力のそれぞれを目的変数とし,RSA-PL を主要な説明変数とする単変量・多変量線形回帰分析を実施し,RSA-PLがa*値と咬合力に与える影響を評価した.また,平均PPD,平均CALがa*値と咬合力に与える影響を別途評価した. 解析の結果,研究対象集団におけるRSA-PLの平均値(標準偏差)は26.3(22.3)cm2であった.年齢,性別,定期歯科受診状況,喫煙状況,身体活動レベル,BMI,抑うつ,脳梗塞の既往,および糖尿病で調整した後も RSA-PLはa*値と咬合力とそれぞれ有意に関連していた(RSA-PL 1cm2増加毎のa*値に対する調整済回帰係数[95%信頼区間]= 0.16 [0.1 to 0.22];咬合力に対する調整済回帰係数[95%信頼区間]= 9.2 [5.3 to 13.1]).一方,平均PPD,平均CALはa*値と咬合力と関連していなかった. これらの結果から,RSA-PLはオーラルフレイルを評価する上で優れた指標であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により,現地調査が何度も延期され,データ収集が計画通りに進められなかったことが主な理由である.
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今後の研究の推進方策 |
感染状況が改善したことに伴い現地調査によるデータ収集を再開するとともに,過去のデータを用いて,研究計画に含まれていなかった様々な解析を追加し,オーラルフレイル発症に関連する多要因の検討を行っていくこととしている.
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