研究課題/領域番号 |
21H03139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
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研究分担者 |
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
工藤 景子 徳島大学, 病院, 講師 (70380029)
秋田 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (70876028)
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | カーボネイトアパタイト / ハイドロキシアパタイト / 骨伝導 / 骨再生 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボネイトアパタイトは人工骨や歯科用インプラントとしての応用が期待されているバイオマテリアルである。我々は低結晶性のカーボネイトアパタイトがハイドロキシアパタイトよりも優れた骨伝導性を示すことを報告してきた。しかし、その差が何に起因するかは全く解明できていない。表面形状がほぼ同じで、材質だけが異なるカーボネイトアパタイトとハイドロキシアパタイトを作製する。この上で骨髄間葉系幹細胞等を培養し、遺伝子とmicro RNAの発現変化をマイクロアレイにて解析することによって、カーボネイトアパタイトの骨伝導能・骨再生能の分子メカニズムを検索する。また、動物に2種類の材料を埋植して検証実験を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、表面粗さや表面形状がほぼ同じハイドロキシアパタイトとカーボネイトアパタイトを作製し、この上で骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)を培養し、遺伝子およびmiRNAの発現変化をマイクロアレイにて解析し、カーボネイトアパタイトの優れた骨伝導、骨新生の分子メカニズムを検索する。 表面粗さや表面形状がほぼ同じで、材質だけが異なるカーボネイトアパタイトとハイドロキシアパタイト試料の作製を試みた。まず炭酸カルシウム粉末を油圧プレス機で一軸加圧成型し、350℃の炭酸ガス循環下で焼結することで炭酸カルシウムディスクを作製した。作製したディスクをリン酸水素ナトリウム水溶液に浸漬することで、溶解析出反応を利用して炭酸アパタイトに組成変換させた。次にハイドロキシアパタイトを同様に一軸加圧成型し、焼結する温度を変化させることで、表面性状を変化させ、カーボネイトアパタイトと表面粗さがほぼ同じディスクの作製に成功した。この表面性状が同じディスクを用いて培養実験を行った。直径15mm、厚み1mmのカーボネイトアパタイト、ハイドロキシアパタイトディスク上で骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)を6時間培養した後、Trizol(Invitrogen)によりtotal RNAを回収した。材質の違いによるMC3T3-E1細胞の遺伝子およびmiRNAの発現変化をマイクロアレイ解析している。今後はカーボネイトアパタイトの骨伝導能・骨再生能の分子メカニズムを検索していく。 また、前駆体に硫酸カルシウムを使用し、組成変換時の温度を変えることで、表面性状が同じで異なる炭酸含有量を有するカーボネイトアパタイトディスクの開発に成功した。このディスクを用いて同様に培養実験を行い、炭酸含有量の違いによる骨形成能の影響も検索している。今後はin vivoでの検証実験と共に、解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前回までの実験で、表面粗さおよび表面形状がほぼ同じで、材質だけが異なるディスク状試料の作製に成功した。油圧プレス機で一軸加圧成型したディスクの焼結する温度を変化させることで、表面性状が同じカーボネイトアパタイトディスク、ハイドロキシアパタイトディスク、β-TCPディスクを作製した。この3種のディスク上で培養実験を行った。直径15mm、厚み1mmのディスク上で骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)を6時間培養した後、Trizol(Invitrogen)によりtotal RNAを回収した。現在、材質の違いによるMC3T3-E1細胞の遺伝子およびmiRNAの発現変化をマイクロアレイ解析している。遺伝子発現変化の網羅的解析はtotal RNAを逆転写してcDNAを作製後、Agilent社製mouse cDNAマイクロアレイキットを用い、miRNAの発現変化の解析はAgilent社製mouse miRNAマイクロアレイキットを用いて解析している。 また、表面性状が同じで炭酸含有量が異なるディスクの開発にも成功した。まず硫酸カルシウムと水を混和し、モールド(直径15mm、厚み1mm)に流し込み、ディスク状の硬化体を作製した。700℃で焼結した後に炭酸ナトリウム水溶液に浸漬し、炭酸カルシウムディスクに組成変換させた。次に炭酸カルシウムディスクを100、120、140℃のリン酸水素ナトリウム水溶液に浸漬することで、表面性状が同じで炭酸含有量が異なるディスクを作製した。このディスクを用いて上記と同様の方法で培養実験を行い、マイクロアレイ解析を実施中である。このように、炭酸含有量を制御するにあたり、種々の温度にてディスクを作製する必要があり、進捗がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
発現変化のあった候補遺伝子および候補miRNAを文献的に検索し、miRNAの標的とする遺伝子をTargetScanなどの公開データーベースを用いて予測する。さらに、ingenuity pathway analysis(IPA)を用いて生物学的な機能の解釈やネットーワーク/パスウェイ解析を行う。候補遺伝子は、total RNAをTaqMan cDNA Reverse Transcription (RT) Kit(Applied Biosystems)により逆転写し、ABI PRISM 7000 Sequence Detection SystemとTaqMan Gene Expression AssaysによるリアルタイムPCR法にて発現を確認する。候補miRNAは、TaqMan MicroRNA Reverse Transcription (RT) Kit(Applied Biosystems)で逆転写し、ABI PRISM 7000 Sequence Detection SystemとTaqMan MicroRNA AssaysによるリアルタイムPCR法にて発現を確認する。さらに、21日間培養した試料の発現も確認する。 また、材質だけが異なる試料や炭酸含有量が異なる試料を用いて動物実験を行い、骨伝導能、骨再生能を検証、評価する予定である。
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