研究課題/領域番号 |
21H03142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 長崎大学 (2021) |
研究代表者 |
大庭 伸介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20466733)
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研究分担者 |
森石 武史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20380983)
松尾 友紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (40792601)
北條 宏徳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80788422)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 骨格系 / インディアンヘッジホッグ / エンハンサー |
研究開始時の研究の概要 |
骨・軟骨組織の形成と維持におけるインディアンヘッジホッグ(Ihh)の重要性は確立されているが、その発現制御機構については不明な点が多い。本研究では、骨・軟骨組織の生理的状態および種々の病的状態において、Ihhの発現調節に関わるエンハンサークラスターとその生物学的役割を包括的に明らかにすることを目指す。次世代シークエンサーによるATAC-seq・ChIP-seqからIhhのエンハンサー候補領域を取得し、生理的状態及び種々の病的状態において、遺伝子改変マウスを用いたエンハンサーの活性評価と生物学的役割の検証を行う。さらに、エンハンサー活性化の分子メカニズムとその活性調節の病態修飾効果を検討する。
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研究実績の概要 |
前年度までに取得した、Ihh遺伝子の上流およそ80 kbにわたって存在する5つのエンハンサー候補領域(エンハンサーA~E)について生理的・病的状態におけるエンハンサー活性の検証を行った。 (1)各エンハンサーによってルシフェラーゼ遺伝子の発現が誘導されるレポーターコンストラクトを作製し、マウス初代軟骨細胞やマウス・ヒト軟骨系細胞株(ATDC5、SW1353)に導入してレポーター発現を指標にエンハンサー活性を検討した。その結果、複数の領域についてエンハンサー活性を確認した。いくつかの領域については、タンデムコンストラクトにおいてコピー数依存性に活性の上昇を認めた。 (2)各エンハンサーによってlacZ遺伝子の発現が誘導されるレポーターを導入したトランスジェニックマウスを作出した。X-gal染色によってレポーター発現を検出し、エンハンサー活性とその組織特異性を検討した。その結果、エンハンサーAおよびCで骨組織特異的な活性を認めた。エンハンサーAは骨発生過程の中期より活性を示し、長管骨におけるその活性化領域はIhh mRNA発現領域とほぼ一致していた。一方、エンハンサーCは骨発生過程の初期に活性を示した。エンハンサーAとエンハンサーCについてはレポータートランスジェニックマウスをライン化し、次項の解析に用いた。 (3)エンハンサーAを中心に、レポータートランスジェニックマウスの病態モデルにおける活性を検討した。その結果、エンハンサーAのレポータートランスジェニックマウスを用いて変形性膝関節症モデルを作製すると、軟骨組織の変性に一致してエンハンサー活性を認めることが明らかとなった。その他の病態モデル、およびエンハンサーCのレポータートランスジェニックマウスについては検討が進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りに、前年度までに取得したエンハンサー候補領域のエンハンサー活性をin vitroおよびin vivoの生理的状態・病態モデルにおいて検証できたため。
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今後の研究の推進方策 |
エンハンサー候補領域の生物学的意義、活性化機構、活性調節因子の探索について、当初計画に沿って研究を遂行する。
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