研究課題/領域番号 |
21H03156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
太刀川 弘和 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10344889)
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研究分担者 |
高橋 晶 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10365629)
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
川島 義高 明治大学, 文学部, 専任准教授 (20647416)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | モラル / 支援者支援 / 新型コロナウイルス感染症 / 医療従事者 / 災害救援者 / 自殺予防支援者 / 心理的支援プログラム / 心理教育プログラム / 質的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、医療・介護従事者、災害救援者、自殺予防活動家、自治体職員など、COVID-19に対応する支援者のメンタルヘルスの悪化が世界的問題になっている。そこで本研究では、不条理な環境下で活動する支援者の「モラル」に着目し、モラルの維持により、メンタルヘルス不調が軽減するかどうかを検討する。まず支援者のモラルとジレンマを調査したうえで、次にモラルの傷害を予防する認知修正と対処行動を学習する支援者の心理教育プログラムを開発し、その有用性を検証する。これにより、COVID-19と戦う支援者の支援活動の質が向上することを目指す。
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研究成果の概要 |
コロナ禍で生じた様々な支援者のモラルと活動中に生じるジレンマを調査すると共に、モラルを維持するための支援者の心理支援手法の開発を目的とする研究を行った。その結果、COVID-19治療病棟の看護師やダイヤモンド・プリンセス号集団感染事故の救援者、さらに自殺予防に関わる幅広い支援者に、コロナ禍でモラルジレンマやモラルディストレスが生じたことが見出された。また自殺予防支援者、医療従事者を対象とする「支援者のモラルを護る心理的支援プログラム」を開発した。有効性を検証するためのランダム化比較試験を行った結果、本プログラムがモラル傷害を予防するための論理的思考力向上に有効であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、コロナ禍という特殊状況で「モラルが傷害される状態」に至る心理機制について、COVID-19と戦う広範な支援者を対象に詳細に検討を行った。調査成果は順次学術誌に発表し、メンタルヘルス領域のモラル概念普及に寄与した。また、翻訳したモラルレジリエンス尺度は、原著者から国際ワークショップに招かれ、今後国際研究グループとして活動していくことになった。このように研究成果の学術的意義は高い。さらに、モラル傷害を予防する心理技術と研修手法を開発し、その有効性を部分的に検証できたことから、ポストコロナの職域メンタルヘルス、災害支援領域の支援者支援に役立たせることができると思われ、社会的意義も大きい。
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