研究課題/領域番号 |
21H03160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴沼 晃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90647992)
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研究分担者 |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
オン ケン・イン・チェン 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (30765269)
桐谷 純子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (90797177)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 保健サービスの質 / 国民皆保険 / 母子保健 / 保健システム / ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
カンボジアとネパールを対象に、住民調査と保健施設調査を通じてUHC達成状況と保健サービスの質を同地域で同時かつ継続的に測定する。調査結果をもとに、住民要因やCOVID-19感染状況等を考慮した上で保健サービスの質がUHC達成(サービス利用、保健支出負担)や健康アウトカムに与える影響を前向きコホート研究として分析する。分析結果から、COVID-19感染拡大期と収束後のUHCやSDGs達成状況の変化や保健サービスの質が果たす役割を検討する。
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研究実績の概要 |
カンボジアの工業地域における父母の子育て時間の分布に関する詳細分析を実施し、保健システムに関する国際学会にて発表した。同分析では、母親の平均子育て時間は父親の平均子育て時間よりも長い一方で、21%の夫婦において父親の子育て時間の方が長いことを明らかにした。 また、WHO-5 Wellbeing Indexを利用した父母のウェルビーイング水準を調査し、母親の30.2%と父親の26.4%にうつ傾向のリスクがみられた。父母のウェルビーイング水準への正の関連要因のうち、父母に共通の要因は「パートナーのウェルビーイング水準」「自身の身体的健康水準」「パートナーの賃金水準」であった。また、「自身の賃金水準」には自身のウェルビーイング水準への負の関連が見られた。一方、母親のウェルビーイング水準に特有の関連要因として、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下でのパートナーの職への負の影響」がみられ、同要因は父親のウェルビーイング水準への関連要因としてはみられなかった。一方、父親のウェルビーイング水準に特有の関連要因として、「自身の両親や親戚による自身の子どもの子育てへの関与」がみられた。父母のうつ傾向のリスクについて、自身だけでなくパートナーの経済的要因や多様な家族や親戚の子育て関与の要因に着目する必要があることが示唆された。 父母の子育て関与水準に関する指標として、「誰が主たる子育ての担い手か」という質問による指標と父母の子育て関与時間調査による指標の2種類を作成し、父母のウェルビーイング水準への関連を調査した。その結果、平日の父親の子育て関与時間が多い方が、父親のウェルビーイング水準も高いことが分かったが、「父親が主たる子育ての担い手である」と回答した場合に、必ずしも父親のウェルビーイング水準との関連はみられなかった。子育て関与指標の測定バイアスについて、今後の研究でもさらに検討が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の想定に反し、カンボジアの地域保健施設において予定していた施設調査の実施を延期し、2024年度に実施することになったため。
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今後の研究の推進方策 |
カンボジアにおいて、地域保健施設における施設調査を実施し、これまで実施していた住民対象調査の内容と合わせて保健サービスの質に関する解析を実施する。
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