研究課題/領域番号 |
21H03167
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
相賀 裕嗣 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (20884175)
|
研究分担者 |
野村 真利香 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 客員研究員 (30453575)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
|
キーワード | 保健経済学 / ベトナム / ユニバーサルヘルスカバレッジ / 保健財政 / 健康保険 / 保健政策 / 保健システム / 開発途上国 / 医療費 |
研究開始時の研究の概要 |
ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)は、人々が経済的困難を伴わずに医療サービスを利用できる状態を意味する。UHC指標として医療費自己負担分(OOP支出:Out-of-pocket支出)が世帯総支出の25%を超える破滅的医療支出に陥る世帯の比率がある。本研究では、ベトナムにおいてOOP支出の国際定義に含まれない交通費等の『隠れたOOP支出』を含めた場合の破滅的医療支出世帯の比率を推定する。具体的には、ベトナム北部・中部・南部から抽出された複数の省にて一般地域住民を対象とした世帯訪問に基づく調査の実施により、破滅的医療支出世帯の比率を推定する。併せて、現行のOOP定義に基づく同比率の過小評価も考察する。
|
研究実績の概要 |
持続可能な開発目標(SDGs)において推進されているユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)は、『全ての人々が適切な予防・治療・リハビリ等の保健サービスを支払い可能な費用で受けられる状態』を意味する。UHC進捗のモニタリングのための指標として、Out-of-pocket支出(OOP: 医療費自己負担分)が世帯総支出の25%を超える破滅的医療支出に陥る世帯の比率がある。本研究では、ベトナムにおいてOOP支出の国際定義に含まれない交通費等の『隠れたOOP支出』を含めた場合の破滅的医療支出世帯の比率を推定する。併せて、現行の同比率の過小評価の程度を考察する。 具体的には、既に獲得した科学研究費助成事業『研究活動スタート支援』により実施する1保健施設(省病院)の入院患者の世帯を対象にした『隠れたOOP支出』による破滅的医療支出世帯の比率を推定する調査を、一般地域住民を対象とした世帯訪問に基づく調査に拡張・発展した形で行う。これにより、より一般化可能性が高い形でしかも制度がより高い『隠れたOOP支出』の実態が明らかになる。また、本研究の結果を基に、近い将来『隠れたOOP支出』に関するMulti-country studyの実施の礎とする。さらに、新型コロナウィルスによる住民の受診行動変容や世帯レベルの医療支出へのインパクトの評価もサブ分析として試みる。 2021年度は当初データ収集を行うことを想定していたら、調査対象国であるベトナムが新型コロナウィルス流行のため、調査の準備活動を行うことに切り替えた。準備活動の詳細は【現在までの進捗状況】を参照されたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の初年度にあたる2021年度は調査対象国であるベトナムが新型コロナウィルス流行地であり同年度4月~12月のほぼ全期間、対象国・対象省はロックダウン中であり、渡航ならびに調査を開始することができなかった。そのため、2021年度に配分された研究費の88%を翌年に繰り越した。残る12%の研究費を用いて、日本国内で研究分担者との研究設計の再調整、日本とベトナムの2か国での倫理審査、ベトナム側研究協力者と共同で電子質問票の設計、その他関連情報収集、を行うに留まった。 2022年度も、引き続き新型コロナウィルスのパンデミック下ではあったが、一定の活動制限のある中で世帯訪問に基づくデータ収集の許可が現地当局より得られた。その後直ちに、①質問票のプレテスト・微調整、②調査員研修を経て、世帯訪問に基づくデータ収集を開始することができた。2023年3月末(2022年度末)の段階で無作為に抽出にされた対象1339世帯のうち674世帯(50.3%)での調査を完了した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、前年度(2022年度)末に世帯訪問によるデータ収集を開始し軌道に乗せることができたので、世帯調査を継続し、データ収集を上半期までに完了する見込みが立った。データ収集後は、データクリーニング、データ分析、そして論文執筆に順次着手する予定である。
|