研究課題/領域番号 |
21H03176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
森本 剛 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30378640)
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研究分担者 |
作間 未織 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60349587)
武内 治郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60791324)
太田 好紀 兵庫医科大学, 医学部, 特任准教授 (10516404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 薬剤性有害事象 / 医療安全 / 臨床疫学 / 機械学習 / 医原性有害事象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、入院患者や外来患者において、日常的に発生していることが分かりつつある薬剤性有害事象について、診療中には薬剤性とは認識されず見逃されている、潜在的な薬剤性有害事象を電子カルテシステム上で自動的に予測し、検出するアルゴリズムを開発することを目的としている。研究対象施設に入院、通院している全患者を対象に前向きコホート研究を実施し、潜在的な薬剤性有害事象やそのリスク因子を解析し、そのデータを元に統計学的モデル及び機械学習を用いて、電子カルテシステム上で、潜在的な薬剤性有害事象を自動的に予測し、検出するアルゴリズムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、入院患者や外来患者において、日常的に発生していることが分かりつつある薬剤性有害事象について、診療中には薬剤性とは認識されず見逃されている、潜在的な薬剤性有害事象を電子カルテシステム上で自動的に予測し、検出するアルゴリズムを開発することを目的としている。 本年度は、急性期病棟入院患者における潜在的な薬剤性有害事象に関する前向きコホート研究を行い、対象施設の全診療科に入院した全患者を対象に、電子カルテシステムから経時的に患者背景(潜在的薬剤性有害事象リスク因子)を収集した。また、カルテ上の診療記録や看護記録、検査記録、画像診断情報などを基に、薬剤性有害事象の可能性がある診療イベントを経時的に抽出した。研究者によるケースレビューを行い、客観的評価基準に従って薬剤性有害事象やエラーを分類した。確定した薬剤性有害事象について、薬剤の種類、症状の内容、重症度、予後などの詳細について分類し、発生前後の診療経過や情報源、患者の健康被害に対する医療従事者の対応の有無や内容によって、診療中に医療従事者に薬剤性有害事象とは認識されなかった潜在的な薬剤性有害事象の同定を行った。これらのデータを基に、解析用データベースを作成し、アルゴリズム作成のための基盤を構築し、さらにアルゴリズムの作成に利用する統計学的モデル及び機械学習や電子カルテに導入するアルゴリズムの導入方法について、予備検討を行った。 これらの解析を通じて、潜在的な薬剤性有害事象を自動的に検出する汎用性の高いアルゴリズムを作成することができれば、日常診療において安全な薬物治療に繋がることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理審査委員会の承認を得て、前向きコホート研究の準備及び解析用データベースの作成が完了した。これらのデータの解析を進めることで、潜在的な薬剤性有害事象を電子カルテシステム上で自動的に予測し、検出するアルゴリズムの作成に繋がることが期待される。また、次年度は論文化も予定している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、前向きコホート研究の解析を進めながら、詳細な解析及び論文化を進める。また、潜在的な薬剤性有害事象の検出アルゴリズムの開発において、複数の統計学的モデル及び機械学習を適用することから、特に機械学習に関しては十分な予備的検討が必要であることが明らかとなったため、積極的に取り組んでいく予定である。 同時に、開発したアルゴリズムを電子カルテシステムで活用するためには、医師や他の医療従事者によるインターフェースの検討が必要であることが明らかとなった。 さらに研究代表者が過去に実施した、電子カルテシステムに導入した臨床決断支援システムに関する前向きコホート研究のデータを基に、アルゴリズムの受諾率や診療プロセスに関する解析を並行して実施しており、本研究課題に生かされる予定である。
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