研究課題/領域番号 |
21H03180
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 渉 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70393262)
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研究分担者 |
長尾 美紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (80523993)
松村 康史 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80726828)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス / 高精度診断 / 環境動態 / 真牡蠣 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界流行)は世界の脅威であり、早期発見・早期封じ込めが流行制御のために必須である。一方、食品や環境水を介した感染リスクは不明なので、汚染実態を解明する必要がある。しかし、いずれも優れた検査法が存在しないことがボトルネックとなっている。
問題解決のために、微量なインフルエンザウイルスの濃縮検出法(研究代表者らが開発済)を (1) ヒト唾液・うがい液および(2) 食品・環境水からの同ウイルスの高感度検出用に、新たに応用開発する。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス特異的なポリクローナル抗体(市販品3種類)を用いて、PBS(リン酸緩衝液)に添加した新型コロナウイルス(加熱処理済の非感染性株をATCCから購入して使用)の簡易高感度な濃縮検出法の開発を試行した。その結果、抗体Aが100倍以上の濃縮効果が得られることを確認した。 次に、健康人の唾液やうがい液に同ウイルスを添加し、同様に簡易高感度な濃縮検出を試行した。しかし、唾液成分が反応を阻害するためか、PBSとは異なり、濃縮効果は得られなかった。対策として、唾液成分を溶解する効果が報告されている複数の物質を感作させる前処理工程を加えたうえで、上述の検出法の改良を図った。しかしながら、濃縮効果の改善は認められず、何らかの工程の改善が必要であることが分かった。 異なる原理に基づく既存の濃縮法を改良したうえで、水環境中に存在する新型コロナウイルスウイルス(主に下水に由来)を生物濃縮している可能性がある食品Aからの濃縮検査法の開発を試みた。添加試験の結果、少なくとも10-100倍以上の濃縮効果が得られることを確認した。京都市内のスーパーマーケットなどで食品Aを購入し検査を行った結果、120サンプルすべてが新型コロナウイルス陰性であることを確認した。すべてのサンプルには内部陽性対照としてPEDV(豚コロナウイルス)を添加し、問題なく検出できることを確認した。食品Aに最適化した新型コロナウイルスの濃縮検出法の開発に成功するとともに、食品Aに対する新型コロナウイルスのリスク評価に必要なデータを順調に収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食品Aに対する新型コロナウイルスの濃縮検出法を開発したうえで、検査を行うことによって、そのリスク評価を順調に進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した食品Aに対する新型コロナウイルスの濃縮検出法の精度管理を行ったうえで、食品Aに対するリスク評価を完了する。
唾液・うがい液に対する新型コロナウイルスの濃縮検出法の開発を継続する。
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