研究課題/領域番号 |
21H03182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
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研究分担者 |
鈴木 民夫 山形大学, 医学部, 教授 (30206502)
伊藤 祥輔 藤田医科大学, 医療科学部, 名誉教授 (70121431)
若松 一雅 藤田医科大学, 医療科学部, 名誉教授 (80131259)
辻田 忠志 佐賀大学, 農学部, 准教授 (20622046)
原 俊哉 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 常勤医師 (70274602)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ALDH2 / 遺伝子多型 / アルデヒド / 発がん / メラニン / エタノール / アセトアルデヒド / メラノーマ / メラノーシス / バイオマーカー / 飲酒 / polymorphism |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマ(悪性黒色腫)は日焼け止めなどの予防策にもかかわらず、先進国において増加傾向にあり、飲酒・喫煙・肥満などの生活習慣関連因子によるリスク上昇が指摘され始めている。日本人のメラノーマは多くは末端黒子型で、従来人種による発症率に差がないと考えられてきたが、文献検索により東アジア人における高い発症率が示唆された。一方、申請者は東アジア人に特有の変異型ALDH2遺伝子と飲酒が重なるとメラノサイトが刺激される可能性を指摘した。これらを背景とし、新たな仮説「変異型ALDH2遺伝子と飲酒習慣が末端黒子型メラノーマのリスク」を得た。この仮説を証明し、飲酒習慣の是正によるメラノーマの個別化予防を目指す。
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研究実績の概要 |
メラノーマはメラノーマは高い死亡率を伴う悪性腫瘍であり、主に皮膚に生じる。日焼け止めの普及などの一次予防策にもかかわらず、先進国において増加傾向にあることから、近年は飲酒・喫煙・肥満などの生活習慣関連因子によるメラノーマリスクの上昇が指摘され始め、注目を集めている。新たな仮説「ALDH2*2保有者の飲酒習慣が末端黒子型メラノーマのリスク」を証明することで、飲酒習慣の是正によるメラノーマの個別化予防を目指している。 これまでに動物実験と疫学調査の倫理審査を受け、ポスドクを募集し、雇用を開始した。また、モデル動物としてAldh2ノックアウトマウスの繁殖を開始し、エタノールを給水瓶に混入するかたちで慢性ばく露実験を行い、尾、耳、陰部、手足のうらを含むマウスの皮膚に色素沈着が生じることを確認した。皮膚を採取してdispaseで表皮を分離し、凍結乾燥ののちホモジネートの酸化処理を行った上でHPLC分析を行った。pyrrole-2,3,5-tricarboxylic acid (PTCA)が検出されたことにより、モデル動物皮膚でみとめられた色素沈着が真メラニンであることが確認できた。また、皮膚病理の評価を行い、表皮・真皮におけるメラノサイトの形態、分布、数、活性の観察をおこなった。メラノサイトの数と活性が増加する可能性が示唆された。 疫学調査では測色計で手足と顔面のメラニン指数を測定し、質問紙で飲酒喫煙習慣を調査、頬ぬぐい液でALDH2多型判定を行い統計解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機器の不調が生じ、アセトアルデヒド・エタノール濃度のGCMS定量が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度もポスドクの雇用を行い、研究の推進を図る。GCMSについて、農学部の共同機器の利用を検討する。
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