研究課題/領域番号 |
21H03212
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
藤原 純子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (20346381)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | cell-free DNA / 心筋梗塞 / アポトーシス / ネクローシス / Origin / マイクロチップ電気泳動 |
研究開始時の研究の概要 |
cell-free DNA (cfDNA) は、細胞がアポトーシスやネクローシスなどの細胞死を起こす際に血中に放出される細胞外遊離DNA断片のことを指す。cfDNA断片はラダーパターンを示す。 従来の心筋梗塞診断マーカーは、発症から測定可能となるまでに3-24時間を要するが、cfDNA濃度は発症後早期に虚血性脳卒中で上昇し、心筋梗塞についても早期の診断マーカーとなることが期待される。しかしながら、cfDNAを実際に心筋梗塞診断に応用した例はない。 本申請課題では、それぞれのcfDNA断片に着目したcfDNAによる迅速な心筋梗塞診断法の確立を行い、法医学試料へ応用可能であるか検証を行う。
|
研究実績の概要 |
cell-free DNA (cfDNA) は,アポトーシスやネクローシスなどの細胞死の際に血中に放出される細胞外遊離DNA断片を指す.申請者はこれまでに,心筋梗塞患者でcfDNA濃度が有意に上昇し,150-200bp/500-600bpのcfDNAフラグメント濃度比が他の心疾患患者と比較して有意に高いことを明らかにした. また血清中myeloperoxidase (MPO)は心筋梗塞患者がコントロールおよび他の心疾患患者に比較して有意に高く,アポトーシスに加えNETosisがcfDNA放出に関与していることを明らかにした.NETosisとは,ネクローシスともアポトーシスとも異なる第3の細胞死と言われ,細胞質や細胞核の縮小・DNAの断片化は伴わなず2ー3時間で完了する.さらに解剖試料においてもcfDNA濃度の上昇は心筋梗塞患者同様,アポトーシスに加えNETosisがcfDNA放出に関与していることが示唆され,特にアポトーシスは死後経過時間に伴って誘導されNETosisとネクローシスは継続的に誘導されていることが考えられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解剖試料におけるcfDNA放出機構について明らかにすることができた.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,心筋梗塞以外の疾患におけるcfDNA放出機構について明らかにする予定である.
|