研究課題/領域番号 |
21H03280
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
栗田 耕一 近畿大学, 工学部, 教授 (90455171)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 歩行計測 / 認知症 / 非接触計測 / 静電誘導 / 歩行動作 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は高齢者の認知症の「兆し」を歩行機能の低下から検知する技術を開発することを目的としている。超高感度静電誘導電流検出技術を用いて被験者に装置を装着することなく歩行計測が可能な独自に開発したセンサを用いて、被験者の歩行信号を蓄積する。計測した歩行データを学習データとして、機械学習や深層学習により歩行能力の識別を行う。得られた学習モデルを用い、高齢者が認知症に至る前にその「兆し」を捉えるディープラーニングを用いたAIによる客観的評価ツールを確立する。
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研究成果の概要 |
本研究は高齢者の認知症等の疾病による歩行機能低下を検知することを目的として行われた。本研究ではまず、被験者に一切装置を装着せずに自然な歩行を検出するための超高感度静電誘導センサを開発した。さらに、歩行障害を模擬するため、健常者の右足首にアンクルウエイトを装着し、その重さに応じた4つのタスクの歩行信号を検出した。その結果、畳み込みニューラルネットワークによる平均識別率は83.0%であることを明らかにした。この結果から、歩行動作により出現する左右の歩行の僅かな非対称性を非接触で簡便に検出可能であることを確認し、認知症の初期で現れる小刻み歩行等の歩行機能評価技術として有望であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、歩行動作により誘起される静電誘導電流を検出することにより、認知症や片麻痺等の高齢者の歩行機能の低下をAIを用いて識別する手法に学術的意義がある。歩行動作により誘起された静電誘導電流には、被験者の足の接地・離地の際の床に対する足裏接触面積の時間微分に相当する詳細な情報が含まれている。提案手法を用いることで、非接触かつ無装着で歩行動作の僅かな差異を簡便に得ることができることを明らかにした。これにより、従来の歩行パラメータによる評価に比べて高精度な歩行動作の検出が可能となり、高齢者の健康状態の変化の「兆し」を捉える客観的評価ツールとして期待でき、社会的な意義があると考えている。
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